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                    議事録 (委員会名をクリック下さい)
(財)東京都保健医療公社評議員会

一番(遠藤守君) 初めに、都立高校でのIT教育について伺います。
 ITを活用した教育推進は、平成十四年六月の石原都知事の所信表明の中で、これからの時代、ITは欠かすことのできない道具であり、遠隔教育や外国との交流、さらには美術や音楽まで、広範囲にわたりITを使用する学校があってしかるべきとの大号令からスタートいたしました。
 その実践の一部を見るため、私は、先月二十四日、都立高校では唯一、都教委がITを活用した教育推進校に指定している砂川高校にお邪魔し、実際の授業風景やIT機器の整備、活用状況などを視察してまいりました。
 中でも、生徒が校内や自宅での学習に活用する電子教材、コンテンツは、トータル四十五科目、約三千単元にも上り、これらをすべて同校の教員が手作業でつくっており、その情熱に大変敬服いたしました。
 このITを活用した教育推進校には、砂川高校以前に、北園、府中西両校が指定され、生徒の学習支援や新たな学習指導方法の研究、開発などを活発に行ってきたようであります。
 そこでまず、先行指定を受けた両校での具体的な成果をお伺いいたします。
 砂川高校への視察の後、現役の情報科教員にも具体的に面会してまいりましたが、これらを通じて明らかとなった現場の課題の第一は、IT機器の整備不足であります。これを端的に示す直近のデータがあります。
 文部科学省による学校の情報化に関する都道府県別調査によれば、東京都の公立学校は、コンピューターの設置状況では全国ワースト二位、普通教室のLAN整備状況は全国最低、コンピューターで指導できる教員状況は、これまた全国最低、よって、総合ランキングは、不名誉にも、四十七都道府県中、最下位の四十七位であります。都立高校に限定すれば、多少整備が進んでいるようでありますが、それでも現場へのしわ寄せは大変なものがあります。
 私がお会いした青年教員は、かつて、深夜まで学校に残り、校内じゅうに何と六百メートルものネットワークケーブルをたった一人で張ったそうであります。彼によれば、こうしたことは他校でもいわば恒常化しており、特に若手の情報科教員に作業が集中する傾向が強いようであります。
 本来、こうした業務は専門業者が行うべきですが、多くの都立高校では、必要な機器の導入を初め、基本的なメンテナンス等に要する予算さえ確保されていないのであります。
 教師が生徒の情報活用能力の育成という本来の職務に専念できるよう、長期的な視点に立って環境整備に努めるべきであります。
 今後のIT機器の導入計画について、明快な答弁を求めます。
 教育の情報化をめぐる第二の課題は、教員のIT技能の向上であります。
 都立高校改革推進計画・新たな実施計画には、平成十七年度中に、ITを活用して学習指導できる教員をおおむね一〇〇%とするとの目標が明記されております。しかし、現状では五九・二%にとどまっております。
 目標の早期達成を目指し、IT教育推進校で積み上げた貴重なノウハウを生かした新たな研修制度を設けるなど、教員のIT技能のさらなる向上に努めるべきであります。所見をお伺いいたします。
 次に、がん対策について伺います。
 我が党が主導して成立したがん対策基本法が、間もなく四月一日施行されます。同法では、国にがん対策推進のための基本計画の策定を義務づけるとともに、都道府県に対しては、地域の特性を踏まえた対策推進計画を策定しなければならないとしております。
 そこでまず、策定前提の、いわば前提条件ともなる、東京におけるがんの現状、特性について伺います。
 都の推進計画には、がん予防の推進、情報収集、提供体制の整備など、基本法に定められた主な施策が盛り込まれると思いますが、これらに加え、我が党がかねてから主張している、一つ、発見早期の段階からの緩和ケアの推進、二つ、立ちおくれている放射線治療の普及と専門家の育成、三つ、セカンドオピニオンの充実などを明記すべきと考えます。計画策定の基本方針とあわせ、見解を伺います。
 厚生労働省は、昨年二月一日、健康局長名で、各都道府県知事に対し、がん診療連携拠点病院の整備に関する新たな指針を示しました。この中で、従来の二次医療圏ごとの地域拠点病院に加え、その上に、新たに都道府県ごとにおおむね一カ所、広域的な拠点病院を整備することとしております。
 本年一月末現在、三十一府県でこの広域的な拠点病院が整備されておりますが、東京都ではいまだ整備されておりません。都内全域で質の高いがん医療を提供するためにも、早期に東京都の拠点病院を整備すべきであります。所見をお伺いいたします。
 がん対策基本法の審議過程で大いに議論されたのが、がん登録であります。がん登録とは、がん患者について、診断、治療及びその後の転帰に関する情報を収集、保管、整理、解析する仕組みのことをいい、将来のがん医療の向上等に役立てるのが主な目的であります。
 種類別にいえば、ある病院におけるがん患者を対象とした院内がん登録と、例えば、東京都におけるがん患者を対象にする地域がん登録の二つに大別されます。後者の地域がん登録は、二〇〇六年九月現在、大阪府、愛知県、広島、長崎両市など、三十四道府県市で実施されておりますが、残念ながら東京では行われておりません。
 個人情報の保護、欧米に比べて低い告知率など課題はありますが、これらのデータが世界規模のがん研究に役立てられていることを思い合わせれば、患者数が全国トップクラスの東京こそ、この地域がん登録に踏み出すべきであります。
 まずは、都内の十カ所ある地域がん診療連携拠点病院が持つすべての情報を一カ所に集約し、地域がん登録実施に向けた足がかりにすべきであると提案をいたします。見解を伺います。
 次に、終末期医療について伺います。
 回復の見込みのない末期患者に対する医療内容の決定手続や、患者、家族の意思の確認方法など、終末期医療に関する議論が今クローズアップされております。
 読売新聞は、昨年夏、大型連載を組んで、明確なルールがない中、延命治療をめぐって揺れる医療現場と患者、家族の苦悩を報じ、多くの反響が寄せられたようであります。
 一方、国においては、医師や法学者らで構成される終末期医療の決定プロセスのあり方に関する検討会が発足し、厚生労働省が公表したたたき台をもとに、今春をめどに一定の結論を出す予定と聞いております。
 こうした状況を踏まえ、私は、昨年の決算特別委員会第二分科会において、国の議論と並行して、都としても関係機関との協議を行い、必要な意見を反映させるよう提案いたしたところであります。
 そこでまず、終末期医療に関する知事ご自身のお言葉での見解を伺います。
 都立病院においては、平成十三年二月に東京都立病院倫理委員会がまとめた報告書である都立病院における末期医療のあり方に基づいて、終末期医療に取り組んでいるようであります。
 この報告書は、告知や臨死状態における治療等について基本的な考えは提起されているものの、延命治療の具体的なあり方まで提起されておらず、最終的には各病院現場での判断にゆだねられているのが実態であります。
 終末期医療をめぐっては、さまざまな立場や考えがあることは十分承知しておりますが、都民が信頼し期待を寄せる都立病院においては、この報告書を改定するなど、より具体的な対応策を策定すべきと考えます。見解をお伺いいたします。
 最後に、東京都保健医療公社荏原病院の産科医師不足問題について伺います。
 私の地元の荏原病院は、昨年四月、都から保健医療公社に経営が移管されました。移管前には、共産党が、都立病院でなくなれば、経営優先で患者負担がふえるなどと、利用者の不安をあおる宣伝をしていましたが、今日までの利用者の順調な推移や、がんの放射線治療の開始、脳卒中センターの充実、そして私が提案した無料送迎バスの運行など、移管後に始めた新しいサービスを見れば、それが共産党のお家芸であるデマゴーグであったことは明らかであります。
 そこで、荏原病院では、最近、産婦人科医師の欠員から、分娩が制限されているそうであります。ハイリスクの周産期医療を行っている都立豊島病院や墨東病院でも、同様に産科の休止や縮小が行われております。産科医不足は全国的な問題となっておりますが、 大田区 を含む都の区南部医療圏で分娩数が最も多い荏原病院における産科医不足は、極めて深刻であります。万が一にもまた、公社に移管されたからだなどと宣伝されても困ります。
 そこで第一に、欠員となった正確な理由や背景、そして、公社当局の今日までの対応についてお尋ねいたします。
 我が党は、昨年の第三回定例会の代表質問で、産科医が不足する中、助産師を積極的に活用すべきであると提案をいたしました。
 その質問に先立ち、私は、先輩議員とともに、日本一の分娩数を誇る葛飾赤十字産院を訪ね、全国的にも珍しい助産師外来を視察してきました。助産師外来は、単に医師の肩がわりをするだけでなく、外来での定期健診から助産師とコミュニケーションを持つことで、医師にはなかなか相談できない体の悩み、家族の悩み、お産への不安などを時間をかけて丁寧に相談することにより、妊婦が安心して子どもを産めるという医療サービスの向上に大変効果があるそうであります。
 私は、荏原病院にもこの助産師外来や院内助産所を積極的に導入すべきであると考えます。見解を伺い、質問を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)
   〔知事石原慎太郎君登壇〕

知事(石原慎太郎君) 遠藤守議員の一般質問にお答えいたします。
 終末期医療についてでありますが、これは、私にじかに問われても、極めて難しい問題だと思います。
 ソルボンヌ大学の哲学の主任教授のジャンケレヴィッチという人が書きました「死」という非常におもしろい分析的な本がありますけれども、一人の人間の死に関しても、これだけ見る角度が違うのかと思うような非常に詳細な分析でありました。
 医学が目覚ましく進歩した現代にあっても、人間は必ず老いますし、そして、やがては死んでいく存在でありますが、人生の最期をいかに迎えるか、受け入れるかについては、個々人の人生観によるものであると思いますけれども、患者当人だけではなくて、それをみとる家族によってもまた立場が違うでしょう。それからまた、担当のお医者さんの見解、あるいは医者としての意思、こういった問題が絡み合っているわけで、尊厳死をめぐる医師の法的責任の問題や延命治療の選択、中止の統一的なルールをつくることが必要だと思いますけれども、とにかく、いずれにしろ、終末期医療のあり方については、多くの知見を集め、国民的な議論を経て、あくまでもこれは国が収れんすべきテーマだと思っております。また、軽々に私の意見を申すべき問題でもないと思います。
 いずれにしろ、こういう時代でありますから、情報も豊富にあると思いますが、まだ獲得され切れない情報もあると思いますけれども、段階的に判断が変わってくるのはやむを得ないと思いますが、いずれにしろ、これは、国が国の責任で一つのスタンダードというものを構えるべき問題ではないかと思っております。
 他の質問については、教育長及び関係局長から答弁します。
   〔教育長中村正彦君登壇〕

教育長(中村正彦君) 三点の質問にお答え申し上げます。
 まず、ITを活用した教育推進校の成果についてでございますが、都教育委員会は、わかりやすい授業や生徒の主体的な学習の実現などを目的といたしまして、ご指摘のように、平成十五年度から、都立北園高校、府中西高校をITを活用した教育推進校と指定いたしました。
 両校では、指導方法の工夫、改善や学習効果を高めるコンテンツの開発、ネットワーク上にあります教材を用いて生徒がいつでも学習できる環境の整備などを行い、学習への興味、関心の高まりや学力の向上が見られるなど、成果を上げてきたところでございます。
 都教育委員会は、こうした成果を踏まえまして、今後とも、授業公開やIT活用推進のためのフォーラムを実施し、開発された学習用コンテンツや指導方法等を全都立高校に普及してまいります。
 次に、IT機器の導入計画についてでありますが、都立高校において情報教育を進めていくために、IT関連の機器等を充実させていくことは重要なことでございます。
 現在、すべての都立高校にコンピューター教室を設置するとともに、高速インターネットへの接続も行っております。さらに、商業高校などの専門高校やITを活用した教育推進校におきましては、重点的にIT環境の整備を図っているところであります。また、校内LANについては、現在約四十校に整備されておりますが、平成十九年度も引き続きその整備に努めてまいります。
 ご指摘のIT機器の今後の導入計画につきましては、庁内の検討委員会において総合的に検討し、早急に考え方を取りまとめてまいります。
 次に、ITを活用して教科指導できる教員の育成についてでありますが、都教育委員会は、平成十五年度から、ITを活用して教科指導ができる教員の育成に努める先導的な都立高校をIT教育普及支援校として指定してまいりました。支援校では、情報教育を担当する教員が、自校を会場とした研修講座や他の都立高校の校内研修の講師を務めるなどして、教員のIT活用能力の育成を図っております。
 都教育委員会は、今後、教員がインターネットを利用して授業改善の方法を学ぶ研修システムを導入するなど、都立高校の教員がITを活用して教科指導ができるよう努めてまいります。
   〔福祉保健局長山内隆夫君登壇〕

福祉保健局長(山内隆夫君) がん対策についての四点のご質問にお答えいたします。
 初めに、東京のがんの現状、特性についてでございますが、平成十七年の人口動態調査によりますと、がんによる死亡者は全体の約三割に当たる約三万人で、都民の死亡原因の第一位を占めております。
 がんの部位別に全国と東京を比較いたしますと、東京は、男性の肺がんや肝がんの死亡率では全国値を下回っている一方で、女性の乳がん、子宮がん、肺がん、また大腸がんについては男女とも全国値を上回っているという特徴がございます。
 次に、がん対策推進計画についてでございますが、都においては、平成十九年度早期に、医療関係者や学識経験者、患者団体の代表などから成る東京都がん対策推進協議会を設置することとしております。
 この協議会での検討を踏まえまして、東京都がん対策推進計画を来年度内に策定いたします。この計画には、予防、早期発見対策の充実、専門的治療水準の向上、相談支援体制の強化など、今後の都における総合的ながん対策を盛り込む予定でございます。
 ご指摘の緩和ケア、放射線治療など、専門医療の普及や人材育成、セカンドオピニオンなどは、がん対策における重要な検討課題でありまして、協議会における議論を踏まえ、推進計画に位置づけてまいります。
 次に、がん診療連携拠点病院についてでございますが、先般、国は、新たな整備指針におきまして、従来の地域がん診療連携拠点病院に加えまして、都道府県がん診療連携拠点病院を設置することといたしました。
 この都道府県拠点病院は、都道府県の中心的ながん診療機能を担うとともに、研修実施や症例相談により地域の拠点病院を支援する役割を有しております。
 都内にはこの重要な機能を担い得る医療機関が多数あり、都としては、今後、東京都がん対策推進協議会の意見を聞きながら、指針に照らしまして最もふさわしい拠点病院を審査、選考し、本年十月には国に対し推薦を行う予定でございます。
 最後に、がん登録についてでございますが、個々のがん患者の診断、治療、その後の症状に関する情報をデータとして登録し、分析、評価を行うことは、早期発見対策の充実や専門治療水準の向上のためには非常に有用でございます。
 現在、都内に十カ所ある地域がん診療連携拠点病院では、国が定めた標準方式に基づきまして、院内がん登録に取り組み、データの蓄積を行っているところであります。
 これらのデータについては、新たに整備する東京都がん診療連携拠点病院において一元的に分析、評価が行えるよう体制整備を図り、都におけるがん治療の一層の向上に役立ててまいります。
   〔病院経営本部長大塚孝一君登壇〕

病院経営本部長(大塚孝一君) 都立病院及び公社運営病院につきましての三点のご質問にお答えいたします。
 まず、都立病院における終末期医療についてでございますが、平成十三年二月の都立病院倫理委員会報告書は、患者の意思をどのように治療方針に反映させていくかということや、どのような医療を提供すべきかの判断を、医師個人ではなく医療チームとして考えていくことなどについて、都立病院としての考え方を取りまとめたものでございます。
 一方、お話しの、国の終末期医療に関するガイドライン、たたき台では、こうした点に加えまして、患者の意思の確認ができない場合の治療方針の決定手続や、検討、助言を行う複数の専門職種から成る委員会の設置などについて提示しております。
 終末期医療をめぐっては、患者や家族の人生観、死生観が多様でございますため、延命治療の是非など、社会的コンセンサスが得にくいという課題がございます。今後、国の議論の動向を見据えながら、都立病院における終末期医療のあり方につきまして、必要な検討を適宜行ってまいります。
 次に、東京都保健医療公社が運営する荏原病院における産婦人科医師の欠員についてでございますが、全国的な産婦人科医の不足を背景にいたしまして、荏原病院へ医師を派遣している大学の医局におきましても人材が不足し、医師の引き揚げを行ったことが直接の原因でございます。
 また、医師を確保するための公社の対応でございますが、公社を挙げて、当該の大学に対し、再三、医師引き揚げの見直しを働きかけることはもとよりといたしまして、他の大学にも産婦人科医師の派遣を要請してまいりましたが、現在のところ、大変厳しい状況であると聞いております。
 引き続き、病院経営本部と公社で連携いたしまして、産婦人科医の確保に向けて努力してまいります。
 最後に、荏原病院での助産師外来等の導入についてでございますが、荏原病院は、これまで年間約一千件の分娩実績があり、地域の産科に対するニーズは高いと認識しております。
 助産師外来は、医師の欠員に対応するだけでなく、妊婦の満足度が向上するなどのメリットがあり、正常分娩をされる方にとりましては有効な方策であると考えております。
 このため、現在、荏原病院では、助産師外来等の平成十九年度中の設置に向けまして、人材の確保、育成策や具体的な施設整備の方法などにつきまして、鋭意検討を進めているところでございます。
 設置に当たりましては、お話しの葛飾赤十字産院などの取り組みを参考にいたしまして、よりよい医療サービスの提供が可能となるよう、公社を支援してまいります。

 公明党の遠藤守でございます。
 初めに、不登校対策についてお伺いいたします。
 都内の公立小中学校における平成十六年度の不登校の児童生徒数は、小学生が千八百三人、中学生が六千八百九十三人で、平成十三年度以降、徐々に減少してきておりますが、不登校は依然として大きな教育課題であり、社会問題ですらあります。
 ちなみに、私の地元大田区における不登校の児童生徒は、同じく平成十六年度時点で、小学生が百二十五人、中学生が四百十一人と、残念ながら二十三区内でも上位を占めております。とりわけ小学生については、不登校児童の発生割合を示す出現率が最も高い数値を示しており、強い危機感を持っております。
 そこでまず、東京都におけるこれまでの不登校対策の現状と、今後の都教育委員会の取り組みについて見解を求めます。
 ところで、文部科学省は昨年七月、全国の都道府県に対し、不登校の児童生徒が自宅においてIT等を活用した学習活動を行った場合の指導要録上の出欠の取り扱い等についてと題する通知をいたしました。非常に長いタイトルではありますが、その内容は、あくまで学校への復帰に向けた取り組みが前提であるものの、不登校の子どもたちが自宅でインターネットや電子メール、テレビなどのITを活用した学習を行った場合、一定の条件を満たせば、校長の判断で出席扱いにするというものであります。
 この制度は、国の構造改革特区制度を利用し、昨年までに一県六市で実施されたもので、これらの先行事例を検証し、学校復帰や就職に効果があると判断したことから、全国展開されたものであります。
 児童生徒の学習効果に十分配慮した計画が立てられ、かつ保護者と学校の間に緊密な連携、協力関係が保たれるなど、運用が適切に行われれば、不登校のさらなる減少につながり得る画期的な制度と考えるものでございます。
 制度に関して、先日、不登校児を抱える複数の保護者に直接ご意見を伺ったところ、登校はできないものの学習意欲はある我が子にとって、目の前がぱっと明るくなる朗報ですといった声が即座に返ってきました。また、わらをもすがる思いの我々にとって、こうした新しい制度について迅速的確に情報を伝えてほしいと、情報の周知徹底に関する要望も出されました。
 一方で、小中高校の校長ら管理職の方からは、実際の制度運用についてわかりにくい点があるため、ガイドラインがあるとありがたい、このような声も上がりました。
 そこで伺います。こうした現場の切実な声を踏まえ、この制度の趣旨について、いま一度、各学校に対し丁寧に周知を図っていくべきと考えます。所見を伺います。
 あわせて、不登校に関する新しい制度や制度改定が行われた場合、その情報が迅速確実に児童や生徒、保護者に伝わるよう周知すべきであると考えます。所見を伺います。
 次に、都職員の特殊勤務手当について伺います。
 昨年末の給与改定で、都は、国や他団体に先駆けて年功的な給与体系を見直し、仕事ぶりに応じためり張りのある処遇を実現するなど、大胆な構造改革に着手いたしました。この点、高く評価するものであります。
 一方、特殊勤務手当についても、知事部局で平成九年度に四十一種類あったものを現在の十四種類にまで削減するなど、これまでも大胆に見直しを行ってきました。しかし、昨今の経済社会情勢をかんがみるに、中には、手当支給に妥当性があるのかどうか、都民の感情、納税者の視点からは納得しづらいものもあります。
 具体例を挙げます。土日や年末年始の勤務に対して、他に振りかえて休みをきちんと取得しているにもかかわらず手当が支給されている場合があり、その額は年間で約一億に上っています。さまざまな業種で年中無休の営業が拡大する中、今なお手当を支給するほどの特殊性があるか、疑問であります。現に、新宿、葛飾など多くの特別区では軒並み見直しが進んでおり、都も廃止すれば一定の財政効果を上げることができるわけであります。
 また、特殊勤務手当はそもそも特殊性の高い勤務についた場合ごとに日額や件数当たりで支給するのが趣旨でありますが、職業訓練指導員手当はいまだに月当たりで、上限三万二千円が定額支給され、月のうちに勤務しない日があっても支給額は変わりません。
 こうした都の特殊勤務手当については、昨年度、総務省が実施した調査においても指摘を受けております。そして何より、公務員の給与は都民の理解が得られることが第一であります。
 そこで提案いたします。職員にとって真に必要のある手当は残しつつも、必要性の薄れた手当は思い切って廃止するなど、大胆に見直すべきと考えますが、見解を伺います。
 また、この際、公営企業局においても多くの種類の特殊勤務手当が支給されていますので、関係局長におかれましても同様に見直しが必要であることを指摘しておきます。
 次に、都立荏原病院の公社化について伺います。
 荏原病院は、大田区や品川区など城南地域の住民にとって、古くから身近な病院として、多くの利用者の命と健康を支えてまいりました。私は大田区で生まれ育ちましたが、荏原病院がいかに地域の住民に親しまれ、安心の灯台として頼りにされてきたか、理屈抜きで実感をいたしております。
 本年四月の公社移管に関し、公明党は、これまでの都議会での審議において何度も質問を行ってきましたが、当局からはその都度、現在の荏原病院が提供している医療の継続にとどまらず、医療水準の一層の向上を図っていくという前向きな答弁をいただいております。
 しかし、これまでの都や地元関係者の懸命な努力にもかかわらず、移管を直前に控えた今なお、移管により医療サービスが低下するとか、経営優先で患者負担がふえるといった、全く根拠のない誤った情報を流し、移管自体があたかも大きな問題を抱えているかのごとき主張を繰り返す動きが一部に残っているのは極めて遺憾であります。そもそも、病気やけがによってただでさえ心配の多い利用者や地域住民の不安をいたずらにあおるのは不謹慎であり、不誠実であります。こうした言動は直ちにやめるべきであります。
 私は、公社の評議員会のメンバーであり、昨年九月の評議員会で、患者サービスの向上のため、送迎バスの運行や院内コンビニの設置を要望してきたところであります。こうした患者サービスにも十分配慮の上、医療水準を一層向上させることにより、移管後の荏原病院は、これまで以上に地域で信頼される病院となっていくべきだと考えますが、見解を伺います。
 公明党はかねてより、女性医師が女性特有の疾病や健康問題にきめ細かく対応する女性専門外来の設置を要望し、その結果、都立病院及び公社病院に女性専門外来が設置されてきました。荏原病院についても、女性専門外来を初めとする住民ニーズを踏まえた専門外来の充実を図るべきと強く要望いたします。
 最後に、文士村の支援について伺います。
 大正末期から昭和初期を中心に、大田区の馬込、山王かいわいには多くの作家、芸術家が住んでいて、石坂洋次郎、尾崎士郎、宇野千代夫妻、川端康成ら、そうそうたるメンバーが互いの家々を往来しながら交流を深めていました。そして、いつごろからか、この一帯は馬込文士村と呼ばれるようになりました。
 現在、この地域には文士村をめぐる散策コースが設定され、文士、芸術家の解説板や記念館なども点在しております。最近では、有志によるボランティアガイドも誕生し、全国から訪れる文学ファンを魅了しております。
 こうした文士村は、馬込以外にも、規模が大きいものだけで、新宿区の落合、杉並区の阿佐ヶ谷、北区の田端の三カ所あり、各区はそれぞれ散策路や拠点の整備に力を入れておりますが、区単独では財政的にも限界があります。
 こうした事情を踏まえ、公明党は一昨年十月に、一つ、都の整備支援計画の策定、二つ、各区が進める整備事業への助成制度の確立などを都に要請いたしました。
 また、昨年の予算特別委員会で、知事は、我が党の大木田議員の質問に対し、個々の文士村の保存は難しいものの、東京都がイニシアチブをとって東京全体の文学地図のようなものをつくることは観光のために有益との認識を示しました。これまで都が、江戸東京博物館での展示やホームページの掲載などで各区の取り組みを支援してきたことは、高く評価いたすものであります。
 一昨日の我が党の石井幹事長の代表質問に対し、文化に関する情報提供を充実させていくとの答弁がありました。新たに構築される文化に関する総合ホームページでの情報提供や、東京観光情報センターでの資料配布など、さらに文士村についてのPRを強化すべきであります。
 折しも二〇一六年のオリンピック招致に向け、都は、このほど公表したオリンピック基本構想懇談会の報告の中で、東京の文化力、また、文化と技術が融合する都市を前面に打ち出す戦略を描いています。
 文士たちの日本文学と社会に与えた強い影響をかんがみるに、これらの文士村は各区固有の遺産であるのみならず、オール東京、否、オールジャパンの文化、観光資源であり、そして何より東京の高い精神性を発信する絶好の媒体であります。
 活字文化は文明の根っこであり、人間のあかしの一つともいわれております。その復興に精力的に取り組んでこられた、高名な文士でもある石原知事の文士村支援に対するご所見をお伺いし、私の質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。

【答 弁】
 石原慎太郎知事 遠藤守議員の一般質問にお答えいたします。
 文士村についてでありますが、私も文士の一人として、今の提案を聞きまして、涙が出るほどうれしゅうございますが、しかし残念なことに、歌は世につれ世は歌につれと申しますけれども、文学もそうでありまして、小説もそうでありまして、このごろは森鴎外なんて知らない人が出てきまして、この間学生と会話したら、永井荷風のことを「ナガイニフウ」といったり、本当にそういう点では、文学という活字の文化というのが本当に廃れてきたという気がいたします。
 文学の世界にも、昔は文壇というのがありましたが、このごろそういうものも淘汰されまして、本当にみんなばらばらに辛うじて生きているという感じですけれども、特に東京は何があってもおかしくないところですから、確かに東京には有名な文士がたくさんおられましたし、それは非常に遺産としてもとても大変なものだと、大事なものだと思いますが、これをどうやって残すかということも、日本の文化全体にとっても大事なことだと思います。ただ、都内には作家のゆかりの地や文学館が幾つかありますが、余り、どの文学館をのぞいてもお客は来てないんですね。
 そういう点で、文学そのもののあり方がかなえの軽重を問われ出していますが、ただ、ここのところ、ありがたいのは、文字離れしていた若い人たちが、携帯電話でメールを送るということ、インターネットの書き込みで、自分では書かなくても、キーボードを打つことで字を自分で操作する、そういう習慣を取り戻してきたので、文学にちょっと復活の兆しがございますが、そういう点で、これから出てくる若い作家のためにも、先人の業績というものを、まず目で見てわかりやすく残すということも大事なことだと思います。
 いずれにしろ、各区市町村が作家などのゆかりの場所を地域の文化資源、観光資源として発掘し、発信することは大変意義のあることだと思います。
 文士村については、これはあくまでも地元の熱意と工夫、地域が一体となった取り組みが重要でありまして、それが東京の魅力向上につながると期待しております。
 東京都としてできることは、この間申し上げましたように、案内図とかそういう情報を東京全体の情報としてお伝えすることはできますけれども、個々の文化村に財政も含めて支援を入れるということはなかなかちょっと難しいと思いますし、地域地域で、地域の一つのある意味のシンボルとして頑張っていただきたいと思います。
 他の質問については、教育長及び関係局長から答弁します。
中村正彦教育長 三点のご質問にお答え申し上げます。
 まず、不登校対策についてでありますが、不登校の解消は、学校教育におきます重大な課題の一つでございまして、これまで学校におきましては、不登校児童生徒の早期発見、予防に努めますとともに、保護者の相談に応じたり、家庭訪問や学習支援を行ったりするなど、原因や状況に応じた対応をしてまいりました。
 また、都教育委員会におきましても、教育相談などに関する研修の実施や公立中学校全校へのスクールカウンセラーの配置など、区市町村教育委員会と連携しまして、学校における不登校への取り組みを支援してきたところでございます。
 こうした取り組みの結果、ご指摘のとおり、不登校児童生徒数は減少傾向にあるものの、依然として大きな教育課題でございます。このため都教育委員会は、今後、これまでの取り組みを一層充実させるとともに、区市町村における不登校児童生徒が通う適応指導教室や教育相談室、児童相談所等の関係機関によりますネットワークの構築の促進を支援するなど、児童生徒の実態に応じた不登校対策を推進してまいります。
 次に、出欠の取り扱いに関します制度の趣旨の徹底についてでございます。
 不登校の原因は多様でありまして、一人一人の児童生徒の状況に応じた対策を講ずる必要があります。ご指摘のITを活用した学習活動を出席扱いとする制度は、引きこもりがちな児童生徒が学校復帰や社会的自立に向けた進路選択を目指すための支援策の一つでございます。
 都教育委員会は、都立学校長及び区市町村教育委員会に本制度の趣旨を徹底し、適切に活用するよう指導助言してまいります。
 次に、新制度や制度改定の周知についてであります。
 都教育委員会はこれまでも、不登校に関する新しい制度等につきまして、区市町村教育委員会や校長に周知してきたところであります。不登校児童生徒を支援するためには、その原因や状況に応じた対応が不可欠でありまして、さまざまな制度や方法について、保護者等になお周知する必要がございます。
 このため、今後は、区市町村教育委員会や校長を対象とした連絡会等を通じまして、不登校児童生徒の保護者等に各制度の趣旨の徹底を図るよう改めて指導するとともに、都教育相談センターが実施いたします不登校生徒と保護者等を対象としました相談会の場において、情報提供に努めてまいります
高橋功総務局長 職員の特殊勤務手当の見直しについてでございますが、都におきましては、これまでも手当の必要性や支給額等につきまして適宜見直しをしてきておりますが、平成十五年度には、知事部局で支給額を約三割削減する抜本的な見直しを行いました。
 しかし、特殊勤務手当の支給の対象となる業務の困難性や特殊性は、社会情勢の変化や設備の改良を通じた職場環境の改善などによりまして、その評価が変わるもので、不断の検証が必要であると考えております。
 ご指摘のとおり、昨年度の総務省の調査結果や報道等を契機に、都民の目線はますます厳しくなっております。こうした状況を背景に、現在、四月中を目途に、すべての手当を対象とした現場調査を実施しております。
 今後、調査の結果等を踏まえまして、都民の理解が得られるよう、具体的に見直しを行ってまいります。
大塚孝一病院経営本部長 荏原病院の公社移管に向けた取り組みについてお答えいたします。
 昨年十一月、総合脳卒中センターを開設し、脳血管疾患に対する取り組みを強化したほか、四月からは、内科、外科、放射線科の医師などが協力して診療を行う集学的がん医療を実施する予定でございます。
 公社移管後も、医療水準を一層向上させ、具体的な患者サービス向上策につきましても十分に検討するなど、地域における中核病院としての役割を果たしてまいります。

〇遠藤委員 新藤委員が多摩川の上流のことをお話ししましたので、私、遠藤は、多摩川下流の 大田区 の地元の地域の主に浸水被害についてお伺いしたいと思います。
 下水道局は、近年頻発する浸水被害に対して幹線などの基幹施設の整備に加えて、雨水整備クイックプランに基づく対策を実施し、浸水被害の軽減に努めておられます。私の地元の 大田区 では、杉並、中野などの区部西部を中心に大きな被害、水害となりました昨年の九月四日の水害では、幸いにも大きな浸水被害はございませんでしたが、一昨年十月の台風二十二号、第二十三号では、千鳥、久が原、そして下丸子という地域では多くの浸水被害が発生いたしました。
 そこで、このような浸水被害を受けて下水道局では 大田区 内でどのような取り組みを行っているか、まずお伺いしたいと思います。

〇中村計画調整部長 お話のありました千鳥、久が原、下丸子地区につきましては、平成十七年三月に新・雨水整備クイックプランの重点地区として追加いたしまして、浸水被害の早期軽減を図ることとしております。
 現在、平成二十年度の一部稼働を目指しまして、既に主要枝線工事に着手しております。また、このほかに、雨水整備クイックプランに基づきまして、千鳥三丁目など二カ所で管渠のループ化を図るなど、きめ細やかな対応も行っているところでございます。

〇遠藤委員 ご答弁にありましたとおり、今後ともこのクイックプランの対策、着実に前進をしていただきたいと思います。
 一方、この浸水被害の軽減のためには、このクイックプランの実施とあわせて、ポンプ所や幹線管渠などの基幹施設の整備も大変大切なことだと思います。 大田区 では現在、矢口ポンプ所の増強が進められておりますが、このポンプ所の施設の役割と完成した場合の効果についてお伺いいたします。

〇伊東建設部長 矢口ポンプ所の役割でございますが、 大田区 矢口、久が原、千鳥、下丸子地区などの雨水を森ヶ崎水再生センターへ送水するとともに、そのままでは自然に排除できない雨水をポンプでくみ上げ、多摩川に放流するためのものであり、昭和四十三年から稼働しております。
 しかし、その後、この地域では、宅地開発などにより雨水が地下に浸透する割合が減少し、下水道管に直接流入する雨水量が増加していることから、雨水ポンプ施設の増設を現在進めております。また、雨水を矢口ポンプ所まで導くための第二下丸子幹線などの整備もあわせて行っております。
 これらの施設の稼働によりまして、この地域の浸水被害の軽減に大きく寄与できるものと考えております。

〇遠藤委員 この矢口ポンプ所の増強が浸水被害の軽減に大きな役割を果たすという、こうした答弁であったと思います。私初め地域の住民の方は、このポンプ所の稼働を心待ちにしております。
 そこで、今ご説明ありました矢口ポンプ所、そして第二下丸子幹線の工事の現在の進捗状況についてお伺いいたします。

〇伊東建設部長 進捗状況でございますが、矢口ポンプ所の増設部は、建物は完成しておりまして、現在、ポンプなどの設備を据えつける工事や放流渠築造工事を行っております。
 また、第二下丸子幹線もほぼ工事が完了しており、現在、ポンプ所との接続工事を行っております。
 これらの施設の平成十九年度当初稼働に向けて、今後とも全力を挙げて取り組んでまいります。

〇遠藤委員 ぜひ一日も早い施設の稼働を望むものでございます。そして、この作業、工事に当たっては、先ほど事故の報告がございましたが、くれぐれも無事故で工事が終えられますことを望むものであります。いずれにいたしましても、浸水被害を軽減して都民の生命と財産を守る上からも、皆様、下水道局の果たす役割は大変大きいものと思っております。
 私ごとですけれども、私がまだ小学生ですから昭和四十年代の後半だと思いますが、多摩川の土手、田園調布付近が大きく雨で崩れまして、家々が次から次へと多摩川に落ちていく、のみ込まれていくという映像を私もテレビで見ていて、本当に恐ろしい思いを体験いたしました。あの光景というのは、私たち 大田区 に住んでいる住民にとっては一種のトラウマのごとく胸に刻まれている光景であります。河川の整備は下水道局の皆さんには直接関係はないかもしれませんが、ぜひとも関係各局とも今後とも緊密に連携をとっていただいて、この浸水対策、ぜひ強力に進めていただきたいとお願いいたします。

〇遠藤委員 きょう都庁に参りまして、広報課から配布いただいているニュースを見て、大変にうれしく思いました。産経新聞のけさ付のニュースですけれども、こういう書き出しで始まっております。「駅で尊い命が救われた。」、見出しで「駅員、自動体外式除細動器で迅速手当て 『心肺停止』男性救う 大江戸線駅内『訓練の成果出た』」ということで、ちょうどきのうの今し方、午後一時二十五分ごろ、都庁前駅で男性が倒れられたところを、駅員の方が即座にAED、自動体外式除細動器を、日ごろの訓練の成果を発揮されて、倒れている男性に手当てをしたところ、無事息を吹き返したということで、この男性は、報道によれば、病院に運ばれ現在のところ命には別状はないと。ちょうど奥様が一緒にいらしていたようでございますけれども、奥様のコメントとして、「倒れたのが駅でよかった」、このように記されております。
 AEDの地下鉄駅設置におきましては、昨年十月二十八日に公営企業会計決算特別委員会の第一分科会で我が党の 東村 議員の方から、地下鉄の各駅にAEDを即刻配置すべきである、こうした提案をさせていただいて、直ちに交通局が対応していただいた結果、とうとい命が守られ、そして、現場の皆さんが必死に時間を割きながら訓練をいただいた成果であるということで、けさ新聞を見て、本当にうれしい思いがいたしました。同時に、皆様方の日ごろの訓練、心から敬意を表したいと思います。
 それでは、質問に入らせていただきます。
 交通局は、これまでも経営計画を策定して、安全性、また利便性の向上、事務事業の効率化によるコスト縮減などに努めてきたことは承知をしております。しかしながら、先ほど局長の答弁にもございましたとおり、交通局を取り巻く現状は、規制緩和による競争の激化ですとか、または官から民という大きな時代の流れ、さらには少子化による人口減という非常に厳しい環境がございます。そうした中にあって、より一層の利用者サービスの向上や経営の効率化が欠かせないということはいうまでもございません。
 現在の経営計画でありますチャレンジ二〇〇四は、平成十八年度までの計画でございますが、この計画を確実に達成に向けて取り組むことはもちろんでありますが、平成十七年度もいよいよ終わろうとしている今、新たな計画の策定に本格的に着手する時期に来ていると思われます。こうした認識を持っているさなかに、先般、新聞で、新たな策定計画をつくるに当たって、交通局の経営アドバイザリー委員会を設置したという記事を読んで大変関心を持った次第でございます。
 そこで、まず、この経営アドバイザリー委員会をどのような考えから設置することになったか、お聞かせいただきたいと思います。

〇谷口参事 委員、ただいまご指摘のとおり、交通局を取り巻きます経営環境でございますが、少子高齢化の進展などによりまして、乗客数の大幅な増加が期待できない一方、事業者間の競争の激化によりまして、大変厳しい状況となっております。また、官から民へという時代の大きな潮流の中で、公営企業としての都営交通のあり方そのものが問われてきております。このような厳しい社会経済状況にかんがみまして、内部での議論にとどまらず、幅広い識見と経験を有する外部の有識者の方々から経営に関するアドバイスをいただいたり、あるいは新しい計画の策定に際しまして、さまざまなご助言をいただいたりするために、交通局経営アドバイザリー委員会を設置したところでございます。

〇遠藤委員 厳しい現在の経済社会情勢をかんがみて、経営などに関するアドバイスを直接もらうために委員会を設置した、こうした趣旨でということでございます。私も手元に名簿をちょうだいいたしましたけれども、それぞれ皆さんが、交通、行政または公営企業に対する多くの学識をお持ちの先生方でございます。
 そこで、今後どのようにこの委員会を活用していくつもりなのか、お聞かせいただきたいと思います。

〇谷口参事 平成十八年度につきましては、これからの東京における公共交通のあり方や都営交通の役割など、新たな経営計画の主に総論にかかわる部分につきましてアドバイスをいただくこととしております。この経営アドバイザリー委員会につきましては、常設の委員会でありますので、経営計画の策定後も事業運営の方向性など、交通局の経営全般に関する事項につきまして、継続的にご意見やご助言をいただく予定でございます。

〇遠藤委員 今後、外部有識者の意見を十分に聞きながら、都民の目線に立った事業の見直し、さらによりよい経営計画の策定及び事業運営を目指していただきたいと思います。
 さて、次に、都民の目線で見直すべきものとして、特殊勤務手当を取り上げたいと思います。この問題につきましては、私は去る三月二日の一般質問で知事部局に対し、「職員にとって真に必要のある手当は残しつつも、必要性の薄れた手当は思い切って廃止するなど、大胆に見直すべき」と訴え、公営企業局にも同様の見直しを促したところであります。
 そこで、まず、交通局で現在支給している特殊勤務手当の概要と年間の支給額をご報告いただきたいと思います。

〇坂上職員部長 交通局の特殊勤務手当には、大きく分けて変則勤務手当、特定現場作業手当、特殊労務手当の三種類がございます。各手当の支給要件の概要をご説明いたしますと、変則勤務手当は乗務員等が早朝、深夜、徹夜勤務など変則的な勤務に従事した場合、特定現場作業手当は溶接作業や高所作業など有害、危険、不快な業務に従事した場合、特殊労務手当は見習い運転手の指導など交通事業特有の特殊な業務等に従事した場合に、それぞれ支給しているものでございます。
 これら特殊勤務手当の支給額の合計は、平成十六年度決算ベースで七億四千七百万円余となってございます。

〇遠藤委員 ありがとうございました。
 今、手当の概要についてご説明をいただきましたが、手当の支給対象業務や支給額などは絶えず見直しを図っていくべきものであると思います。
 知事部局では、平成十五年度に支給額を約三割削減するという抜本的な見直しを行ったと聞いております。そこで、交通局におけるこれまでの特殊勤務手当の見直しの経過をお伺いいたします。

〇坂上職員部長 当局におきましても、特殊勤務手当につきましては、社会経済情勢の変化や作業環境の改善等を踏まえ、適宜見直すこととしてございます。平成十五年七月には、手当の大幅な見直しを実施し、先ほど申し上げました手当の内容に変更いたしまして、平年度ベースの支給額を約四割削減いたしたところでございます。

〇遠藤委員 十五年七月で約四割削減するという大幅な見直しを行ったと、こういうご答弁でございました。総務省が昨年度に実施した調査をもとに、公営企業を含む全国の自治体に対して特殊勤務手当の適正化を求めておりますが、交通局がこれまで主体的に見直しに向けた取り組みを進めてきたことは、積極的に評価させていただきたいと思います。
 しかしながら、現行の手当の中にも、やはり都民感情から納得しづらいものがあることは事実かと思います。例えば、先ほどご説明いただきました変則勤務手当の中には、いわゆる精勤手当というものがございます。これは地下鉄やバスの乗務員や交替制勤務に従事する職員に対して支給されているものでありますが、月の勤務実績に応じて月額千円から三千五百円支給されているようでございます。その年間の支給額トータルは七千万円にも上っていると聞いております。納税者の視点または都民、庶民の視点から考えると、今後とも手当として措置していくほどの特殊性または困難性がこの精勤手当にあるのかという疑問もございます、これは一例でございますが。
 そこで、特勤手当の現状について、交通局ではどのように考えているのか、ご説明いただきたいと思います。

〇坂上職員部長 特殊勤務手当の現状についてのご質問でございますが、特殊勤務手当の対象となります業務の困難性や特殊性につきましては、社会経済情勢の変化などにより、その評価が変わるものでございまして、不断に検証していく必要があると考えてございます。現在、地方公務員の特殊勤務手当につきましては、ご指摘のとおり、総務省が適正化を図るよう指導を強めており、また、報道などでも厳しい見方がされている状況にございます。都民やお客様から批判を受けることのないよう、現行の手当につきましても、改めて見直しを図っていく必要があると認識しております。

〇遠藤委員 特殊勤務手当について、都民や、また利用者の批判を受けることのないように見直しを行う必要があるとの認識を示されましたが、やはり都民の目線で内容を見直すことが大切であると思います。また、交通局は厳しい経営状況に置かれており、支出削減の観点からも十分に精査をしていく必要があります。
 現在、知事部局では、新年度に向けて、この特勤手当廃止や減額を視野に具体的な見直しを行っていく旨の答弁を先日の私の一般質問で行っておりますが、今後、交通局では、具体的にどのような見直しを図っていくか、所見をお伺いいたします。

〇坂上職員部長 具体的にどのように見直しをしていくのかということでございますが、特殊勤務手当の現状につきましては、現在、支給対象となる業務の特殊性が薄れていないか、支給範囲は適正かどうかなどの観点から現場調査を実施するなど、すべての手当を対象として精査を進めております。知事部局では、四月中を目途に現場調査を実施していると聞いておりますが、当局におきましても、並行して調査を進めているところでございまして、その調査検討結果を踏まえ、具体的な見直しを行ってまいりたいというふうに考えております。

〇遠藤委員 現在、具体的な見直し作業を鋭意進めていただいていると、こういったことでございますが、しっかり取り組んでいただきたいと思います。
 先ほど冒頭ご紹介をさせていただいたとおり、現場の職員の皆さんは本当に安全第一、人命第一ということで、大変な中、頑張っておられます。こうした方々の特勤手当の縮減とか廃止が士気の低下に、また、利用者の皆さんの安全性の向上にマイナス面があってはならないと思っております。真に必要な手当と必要性が薄れた手当というものを明確に区分、精査をいただいて、必要性の薄れた手当については思い切って廃止、縮減して、都民の理解が得られる事業運営を図っていただきたいことを最後に要望し、私の質問とさせていただきます。ありがとうございました。

遠藤委員 公明党の遠藤でございます。交通局関連の質問、私も初めてでございます。どうか理事者の皆様、よろしくお願い申し上げます。
 質問に入らせていただく前に、都議会公明党からも、このたびのバス料金窃取事件について、一言、言及させていただきたいと思います。
 今回の事件に関しましては、都民や利用者の皆さんの信頼を著しく毀損するものであって、まことに残念かつ遺憾でございます。再発防止を強く要望いたします。
 それでは質問に入らせていただきます。きょうは、地下鉄の利用をしやすくするため、さらに安全向上の面、この二点に絞って質問をさせていただきます。
 ご存じのとおり、本年九月五日から、都営大江戸線の環状部二十八駅に、改札口の付近に列車運行情報表示装置が導入されました。利用者への迅速な情報提供という観点で効果的なものであり、交通局の皆さんのサービス向上にかける思い、熱意というものを強く感じるものでございます。
 ところで、この表示装置は、大江戸線の環状部二十八駅以外の各駅に、いつすべて完璧に設置されるのか、今後の設置計画をまずお答えいただきたいと思います。
〇佐藤電車部長 この列車運行情報表示装置につきましては、今年度末までに新宿線全駅、それから大江戸線の放射部光が丘から西新宿五丁目間、計三十駅に設置をしてまいります。
 また、十八年度末までに浅草線、三田線四十三駅に設置をしまして、これにより都営地下鉄全駅に整備が完了する予定となってございます。
遠藤委員 十八年度末までに都営地下鉄すべての駅にこの表示装置が配置される、こういったご答弁だったと思います。
 ところで、先週の月曜日の七日、この日はちょうどJR山手線が架線の事故で大幅に運行状況が乱れたという日でございました。当日、この装置には、他社線情報という形で、JR山手線が事故で運転を見合わせている、このような表示がされておりました。私も、自宅から都庁に通うに当たって、いつも都営大江戸線を大門から都庁前まで利用している関係で、この表示に気づきましたけれども、常に見ている人間は、きょうはどういう状況かなとウオッチするのですけれども、なかなか目立たないという側面も、片やあろうかと思います。
 そこで、こうした都営地下鉄や関連の他社の事故が発生した場合、この表示装置、例えば色が変わるとか音が出るとか、点滅するとか、何らかの工夫を施した方がいいかと思います。せっかく多くの予算を投じていいものをつくっても、結局、利用者の目にとまらなければ意味がないので、その辺の改善を、もう少々工夫していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
〇佐藤電車部長 本年九月に投入しました列車運行情報表示装置につきましては、今、先生のご指摘もございましたけれども、お客様からも事故発生の時刻を一応表示してほしいとか、重要な内容については色を変えて欲しいとか、字の大きさはできるだけ大きくしてほしい、そんなようないろいろなご意見が出てきております。
 今後は、先生のご指摘やお客様のこういったご意見等も踏まえながら、お知らせが、やはりよりみんなの目に目立つように、色の変化とか、画面の点滅等も一応含めまして、列車運行情報表示装置の効果的な表示について検討してまいります。
遠藤委員 ぜひよろしくお願いいたします。
 今回このような質問をさせていただくきっかけとなったことがございました。それは、私の地域のある高齢の婦人の方から電話をいただきまして、その方は浅草線の五反田駅を利用されているそうで、ちょうどその利用される日は浅草線がとまっていたにもかかわらず、改札までずっと階段をおりていって、改札に来て初めて電車がとまっているということがわかったのですと。健常者、若くてあなたみたいな方はいいかもしれないけれども、私たち高齢で足が不自由な立場の者からすると、階段の上りおりというのは大変負担なのよ、だから少しでも改善してもらいたいと、こういった趣旨の要望を受けまして、今回の質問をさせていただきました。
 今、お話のとおり、表示装置ということで、デジタルを使って、いろいろ目配りをしていい仕組みをつくっていただくようですけれども、こうしたデジタル表示と並んで、アナログ的な表示かもしれませんけれども、地下に潜る前に、もう既に、ここからは電車は今走ってないですよというようなことを知らせるアナログ表示、何でも結構なんですけれども、一目瞭然でわかるような対応というものも片方でご検討をいただきたい、これは要望をさせていただきます。
 ちょっと観点が変わりますが、先日の九月十五日、我が党の地震対策の勉強会が行われました。その折、地震学の権威である東大の溝上恵名誉教授のお話をお伺いする機会がございました。さまざまな観点からお話しいただきましたけれども、その中で、こういったことをおっしゃったのが耳にとまりました。
 すなわち、地下鉄の駅またはトンネルというのは地震に強いんだ、安全なんだ、こう強調されていました。私も公営企業委員会に今回属させていただいたので、この一言が大変に耳にとまりました。
 これに関して、交通局の担当者の方にお話をお伺いしたところ、このようにおっしゃられておりました。すなわち、都営地下鉄の施設については、関東大震災級の地震に対する安全性が確保されており、さらに、阪神・淡路大震災を契機として出された国の通達に基づく総点検を行い、耐震補強が必要な地下鉄施設を対象に耐震補強工事を実施し、平成十三年度までにすべて完了している、こういうことでございました。
 交通局ではさまざまな対策を講じており、地震に対しての安全性が確保されている、こういう結論でございました。地下鉄は地震に強い、安全だ、地震が起こってもそこにとどまっていて大丈夫なんだ、こういったことを利用者にさらに周知するということは、大変重要なことだと思います。
 そうすれば、地震発生時に、地震だけではなくてさまざまな災害のときに、二次的な要素として最も危険なのがパニックでございます。地下鉄の施設にいたときに、大きい地震が起こった場合、外に逃げなければパニックの防止にもつながるかと思います。利用者への地震に対しての安全性の広報について交通局ではどのように考えているのか、お聞かせいただきたいと思います。
〇中村参事 地震発生時においてパニックを防止するためには、ただいまご指摘いただきましたように、都営地下鉄の安全性について、お客様への周知が必要であると考えてございます。
 したがいまして、これまでも駅のポスター、電車の中づり広告及び広報紙「ふれあいの窓」などで、耐震補強工事が完了したことや、改札口付近への避難経路図の設置、また避難誘導訓練の実施など、交通局の震災対策についてPRしてきたところでございます。
 今後とも、震災対策についてお客様が十分理解され、震災時にパニックにならないよう、周知方法をさらに工夫するなど、PRに努めてまいります。

遠藤委員 今答弁いただいたとおり、最も大事なのは、利用者の皆さんが十分その安全性というものを理解していただくことだと思います。予算をかけて宣伝をするからには、効果のある形で、あのポスターを見て、あの宣伝を見て、私は地震があったときに地下鉄の施設内にとどまった、だからこそ私の命は守られたのだと、こういった方が、まあ、地震が起きないのが一番なんですけれども、そのポスターを見たことによって私の命が守られたという方が一人でも多いような形で、やるときは徹底してこの広報宣伝活動をしていただきたいことを最後にお願いし、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

遠藤委員 公明党の遠藤でございます。初めての質問でございます。先輩議員の皆様、また理事の皆さんには、言葉足らずで大変ご不便をおかけいたす点もあると思いますが、よろしくお願い申し上げます。
 安全でおいしい水を供給すること、これは都民の安全や安心に対する関心が高まる中、水道事業者として非常に大きな課題であると思います。しかし、先ほど来の先輩議員の質疑にあるとおり、都民の皆さんの中には、塩素臭いとして水道水を敬遠したり、いわゆるミネラルウオーターを利用している人が私の周りにも大変多いのが現実でございます。また、残留塩素が人体に悪影響を及ぼすのではないか、このような心配をする方、昔もそうですけれども、現在も大変多いのも現実かと思います。
 そこで、今回、水道水中の残留塩素について、幾つか確認も含めてお尋ねしたいと思います。塩素といいますと、生活に欠かせない食塩を構成する成分である一方、強い毒性があることから、劇物にも指定されているものでございます。人体への影響がないかどうかと心配になりますし、また実際にそれを心配して、水道水を飲まないという人も大変多いと思います。
 ところで、昭和四十六年六月一日に、当時の厚生省環境衛生局水道課長が、人体への影響に関して、水道水の塩素消毒についてという通知を出しております。確認も含めて、この通知の内容についてご報告をいただきたいと思います。
〇田口浄水部長 ただいまご指摘の通知でございますが、その内容でございます。水道水の中の塩素の人体に与える影響について、当時の東京大学の教授を中心といたしました研究班に依頼した研究の報告を通知したものでございます。
 この報告では、人の赤血球やリンパ球等に高濃度の塩素を加えますと致死的影響が増大すること、また、水道水中の塩素が直接に人体に害を及ぼす濃度につきましては、今後さらに研究を重ねる必要があること、さらに、水道水に大量の塩素を用いる前に原水汚染の防止に心がけるべきであるといったような指摘がされております。
遠藤委員 ありがとうございます。今答弁いただきましたとおり、この研究報告、塩素の過剰使用に強い警鐘を鳴らす一方で、最も大事なのは、上水道中に大量の塩素を用いる前に原水汚染の防止に心がけるべきである、こう強く訴えている極めて重要な報告であると認識しております。
 しかしながら、冒頭申し上げたとおり、この研究報告は昭和四十六年ということで、今から三十年以上も前のやや古いデータでございます。そこで、水道水中の残留塩素の人体への影響について、最近のものとしてどのような知見があるか伺います。
〇田口浄水部長 WHOの通称で知られております世界保健機関がございまして、ここで二年間にわたる動物実験の結果をもとに、飲料水中の残留塩素濃度のガイドライン値を一リットル当たり五ミリグラム以下としております。
 また、通称EPAという名前で知られております米国環境保護庁でも、先ほどのWHOと同様の実験から、一リットル当たり四ミリグラム以下としております。
遠藤委員 ありがとうございます。WHO並びに米国EPAといった権威ある機関において、水道水中の残留塩素の人体への影響を考慮して、上限値を定めているということはわかりました。
 そこで、我が国における水道水中の残留塩素濃度の上限に関する規定はどのようになっているか、お伺いいたします。
〇田口浄水部長 残留塩素濃度につきましては、水道法施行規則におきまして、病原菌による水道水の汚染防止のため、給水栓における水道水一リットル当たり〇・一ミリグラム以上保持するように義務づけられております。
 ただいまご質問の上限につきましては、平成十五年十月十日付、厚生労働省健康局長の通知にあります水質管理目標設定項目の中で、おいしさの観点から、一リットル当たり一ミリグラム以下という目標値が設定されております。
遠藤委員 ありがとうございます。今答弁いただきましたとおり、我が国では、WHOのガイドライン値またはEPAの最大許容濃度より厳しい、一リットル当たり一ミリグラム以下という目標値が設定されているということでございます。
 今は国の目標値でございますが、それでは、この国の目標値に対して、東京都では、残留塩素について具体的にどのような目標を設定しているのか、お尋ねいたします。
〇田口浄水部長 当局では、平成十六年度に安全でおいしい水プロジェクトをスタートさせまして、この中で、残留塩素濃度につきましては、衛生上必要な措置でございます一リットル当たり〇・一ミリグラム以上を確保しつつ、ほとんどの人が塩素のにおいを感じないレベルとして、〇・四ミリグラム以下という目標値を設定してございます。この目標値は、WHOのガイドライン値やEPAの許容濃度の約十分の一となっておりまして、国の目標値よりさらに厳しいものとなっております。
 また、残留塩素とアンモニア態窒素との反応によりトリクロラミンが生じますが、カルキ臭の主な原因となりますことから、当局独自の水質目標を設定することとしております。
遠藤委員 ありがとうございます。水道局では、国よりも厳しい水質目標の達成に向けて、さまざまな対策を行ってきたわけでありますが、その結果は現在どのようになっているか、改善の経過を、簡単で結構でございますが、ご答弁いただきたいと思います。
〇田口浄水部長 当局では、都内百二十三地点の給水栓におきまして残留塩素濃度を測定しておりますが、一日の平均値が目標を達成した測定地点の割合は、平成十五年度に一一%であったものが、安全でおいしい水プロジェクトをスタートさせた平成十六年度には三六・六%へと向上しております。
遠藤委員 目標値である〇・四ミリグラム・パー・リットルの達成率は着実に向上してきているわけで、このことは大変に評価をいたしたいと思います。しかし、現在の達成率三六・六%、これを早期に一〇〇%にするためには、塩素が時間の経過とともに減少するという性質を考慮した上で、その上で可能な限り浄水場などでの塩素注入量を減らしていく必要があろうかと思います。
 現在東京都では、自動水質機器を都内に百二十三カ所ですか、設置をして、塩素注入量の適正管理なども行っていると聞いておりますが、そうしたさまざまな取り組みをより積極的に行うことにより、残留塩素の目標達成率一〇〇%の早期の実現に向けて、一層の努力をお願いいたしたいと思います。
 あわせて、もう一つ問題となっておりますのが、特に残留塩素濃度の調整が非常に難しい、管理が不十分なマンションなどにおける貯水槽の存在が挙げられると思います。この貯水槽に関しては、設置者の所有物であることから水道局での取り組みにも限界がある、このような点は理解できますが、ぜひこの設置者に対して、直接給水方式への切りかえや貯水槽の適正水位の確保など、適切かつより厳格な指導を行っていただきたいことをあわせて要望させていただきます。
 最後に、これまでの質疑を総括して、局長に、塩素問題を含めた安全でおいしい水対策、この積極的な取り組みへの決意をお伺いし、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
〇御園水道局長 安全でおいしい水の安定的な供給は、水道事業者の最大の使命であると認識しております。これまでも、この使命を全うするため、厳しい水質管理を行うとともに、高度浄水処理の導入など、さまざまな施策を積極的に展開してきたところでございます。
 今後も、都民に安全でおいしい水を安定的に供給し続けていくため、安全でおいしい水プロジェクトを積極的に推進するなど不断の努力を重ね、二十一世紀の首都東京にふさわしい質の高い水道サービスを実現してまいります。

決算特別委員会第2分科会 −平成18年10月27日−】

○遠藤委員 私の方からは、大きく分けて二点お伺いいたします。
 まず最初は、都立高校の教育環境の改善、とりわけ冷房設備の導入についてであります。
 平成十七年度の教育庁の決算説明書、一一七ページに施設整備費とございます。この中には盲・ろう・養護学校の環境改善事業があります。この事業は、盲・ろう・養護学校の普通教室に計画的に冷房施設の設置を進める、こういうものですが、十七年度をもちまして、この事業すべて、盲・ろう・養護学校の普通教室に冷房設備の整備が完了した、こういうことでございます。
 近年の夏の暑さは、皆様方も本当によく体感するとおり、昔の暑さとは全く質が違うわけであります。また期間も大分長いということで、こうした気象状況等々も踏まえて、私の地元の 大田区 では、ことしの夏から区内のすべての小中学校の普通教室に冷房が入るということになりました。区部を初め、他の県でも、都市部では次々と小中学校については普通教室の冷房化、着実に進んでおるという現状がございます。
 また、一方、高等学校における冷房の普及状況について見ますと、都内の私立高校につきましては、ほぼ一〇〇%に近い状況でありますし、他府県の公立高校においても、都市部を中心にほぼ全国的な動きとなっておりまして、行政の設置以外でも、PTAによる自主設置なども加えて、さまざまな形で普通教室への冷房設備の普及整備が進んでおるわけでございます。
 しかしながら、残念ながら、東京都におきましては、都立高校の普通教室の冷房設備の整備につきましては、これまで極めて限定的でございました。航空機騒音や高速道路、または幹線道路沿いにある学校といった、いわば交通量の交通騒音が高いところ、こうしたところでは学校に整備されておりますけれども、それ以外の約三分の二の学校はほとんど冷房がないという中で、まさしく苦学しているというのが現状であります。
 昨今、夏場の教育活動を取り巻く環境が大きく変わっている中で、都立高校におきましても、普通教室の冷房化、冷房設置に対する生徒や保護者、そして先生方の要望がますます切実な問題となっております。
 先日、教育庁の皆さんにもご協力いただきまして、九月の十五日に、公明党として、公立の中高一貫教育としては四校目となる、ことし四月開校の東京都立桜修館中等教育学校を視察してまいりました。
 校長先生初め教員の皆さんとの懇談の中では、現場の声として、例えば、教員、生徒とも、エアコン設置による地球温暖化は十分懸念しているけれども、我慢にも限界があります、こういった声や、こちらは中高一貫ですので、高校生は何とか工夫をしてしのいでいるけれども、小学校から上がったばかりの中学生は、午後になるとエネルギー切れで放心状態だと。笑い話のようですけれども、高校生は午前中はじっと体を動かさないで体力温存していると。しかし中学生は朝から元気いっぱい授業に臨むので、午後になるともう放心状態。年代の体力の問題いろいろありますけれども、こうした声が聞かれました。また保護者からも、子どもの湿疹が夏場はひどくて大変だ、何とかしてもらいたい、こういう声が学校に寄せられているというご報告をいただきました。
 実は、この視察の前日の夜に、地元の 大田区 で都立高校の先生をしている方とも偶然出会いまして、そこで、何とか遠藤さん、何とかクーラーお願いしますよと直訴されたわけでございますけれども、この先生の話によれば、ただでさえ、普通の授業をするのも大変な先生方が、この暑さと過労で入院する先生もいたりして、もう死者が出ても決して不思議ではないんですと真剣に語っておられたのが大変印象的でありました。
 我が党は、こうした状況を踏まえて、本年の第一回並びに第二回定例会の中で、高等学校普通教室への冷房施設の早期導入の必要性について提言をいたしておりました。その結果、ことしの四月に、都立高校教育環境改善検討委員会が庁内に発足されて、その検討の資料や議論の様子が詳細に庁のホームページに掲載をされております。
 これを見ますと、さまざまな角度から、都教委が本気になって、都立高校の普通教室への冷房化の検討を含めて、教育環境の改善のあり方について、真剣に前向きに検討していただいているんだなということを心強く思う次第でございます。
 そこで、まず伺います。この検討委員会について、これは六月の第二回定例会でもさまざまな質疑がありましたが、その後の検討状況について、また進捗状況について、まずお伺いいたします。

〇山川学務部長 都立高校教育環境改善検討委員会は、平成十八年四月二十四日に第一回を開催いたしまして、都立高校の教育環境改善策について、現在までに五回の検討を重ね、多角的、総合的な見地から調査検討を行っている最中でございます。また、七月の委員会では、夏における学校現場での授業中の実態把握も行ったところでございます。
 これまでの検討の中で、今では都立高校の教室においても空調が必要な状況となっているとの共通理解と、空調設備に当たっては、あわせて学校全体の中で省エネルギー化を図るとともに、効率的な環境対策にも努めていくことが必要との方向性が示されているところでございます。

〇遠藤委員 総合的な学校の環境対策、もちろん重要であると思いますが、教室の冷房化は最優先すべき課題だろうと思います。
 先日、教育庁の方より、来年度の主要事業予算見積もりについてご説明をいただきました。この中で、都立学校への空調設備−−冷房設備でございますけれども、その導入事業が挙げられ、都立高校もその対象となっていますが、その内容について改めて確認をしたいと思います。

〇山川学務部長 教育環境改善対策につきましては、まだ検討委員会で検討中でございますが、教育委員会としては、十九年度の予算要求で、都立高校の普通教室及び食堂の空調設備の整備と、都立高校における省エネルギー化や環境対策について要求しているところでございます。

〇遠藤委員 教育庁の皆さん、また検討委員会の皆さんのご尽力に心から敬意を表したいと思います。
 さて、この平成十九年度主要事業予算見積もりの中でも、この空調設備の導入と並行して、都立学校の環境対策事業も挙げられております。とかく冷房設置の計画となると、もう冷房がついて涼しくなったから一丁上がり、終わりと、こういう風潮になりがちですけれども、この検討委員会では、環境問題全般について真正面から取り組んでいくという姿勢が強くうかがわれます。この点についても公明党としても高く評価したいと思います。
 特に、都立学校は、都内の全域に点在してその施設数も多く、さまざまな取り組みの可能性があると考えます。
 こうした観点に立って、今後、この検討委員会でさらに検討していく課題とその見通しについて伺います。

〇山川学務部長 今後、検討委員会では、これまでの議論の整理を行うとともに、空調設備の導入後の留意点や費用負担のあり方などについても議論をいただき、年度内に報告書としてまとめていきたいというふうに考えております。
 東京都教育委員会は、この検討委員会の結果を踏まえ、都立高校の教育環境の整備が着実に進められるよう努めてまいります。

〇遠藤委員 都立高校の普通教室の冷房設置は、学校関係者が長年待ち望んでいたものです。検討委員会で前向きに議論されることによって、生徒や保護者、そして現場で働く教職員の皆さんの夢がようやく実を結ぼうとしているわけでございます。どうか一日も早く実現されますことを改めて要望して、次の質問に入らせていただきます。
 本年三月の第一回定例会の一般質問で、私は、不登校対策に関連して、ITを使った自宅学習について質問いたしました。本日も、教育現場におけるITの利用促進に関して若干質問をさせていただきます。
 都教育委員会では、平成十四年の十月に策定した都立高校改革推進計画に基づいて、平成十五年度から十七年度までの三カ年、ITを活用した教育推進校として、都立北園高校、府中西高校をそれに指定し、授業革新を行ってきました。
 そして、この二校の実践を踏まえて、ITを活用した教育のあり方や今後に必要な環境整備などについて検証して、その成果を他の都立高校に広めて、ITを活用した教育を推進してきたところであります。
 さらに平成十七年度からは、都立の砂川高校がこのITを活用した教育推進校に指定をされました。平成十七年度の決算説明書、八七ページにある高等学校費の中の管理費の中で、この都立砂川高校における学習用コンテンツ、このコンテンツはウエブサイト上の学習教材、こう訳すのが適切かと思いますけれども、この学習用コンテンツの開発費として一千二百万円の事業費が計上されております。
 砂川高校は、平成十七年四月に、昼夜間定時制課程と通信制課程を併設する単位制高校として開校いたしました。経済社会情勢が著しく変化する中で、生徒みずからの判断で勉強する場所や時間、そして学習内容を自由に選択できることは大変望ましいことと考えますし、通信制課程はその教育を実践できる場であると思っております。
 ところで、この砂川高校では、授業や学習を支援するために、生徒一人一人の学習の進捗状況を、コンピューターを使って確認して指導に生かすというe−ラーニングシステムが導入されておりますし、さらに、さきにも述べましたとおり、学習用コンテンツなどの開発などを行って、生徒の学習に対する興味や関心、そして基礎、基本の確実な定着を図っているようでございます。
 そこで、まず伺います。この砂川高校で開発された学習用コンテンツの数とその活用状況についてご説明いただきたいと思います。

〇岩佐指導部長 砂川高校では、平成十六、十七年度の二年間に四十五科目、三千百八十二点の学習コンテンツを開発したところでございます。教員が学習コンテンツの動画や音声を用いて、わかりやすく授業を行ったり、生徒が学習コンテンツを用いまして予習あるいは復習をしたりするなどして活用を図っているところでございます。

〇遠藤委員 答弁によりますと、学習用コンテンツ四十五科目、三千百点を超える、このような内容でございます。
 事前にいただきました説明によりますと、このコンテンツの開発には、平成十六年、十七年の二カ年で五十一人の砂川高校の先生方が携わったということであります。このコンテンツは、都の教育活動において私は極めて貴重な財産であろうと思います。この砂川高校の定時制や通信制の生徒さんが利用されるのはもちろんではございますけれども、例えば、学習意欲はあるものの、体や心の状態でどうしても通学できない、こうした子どもさんたちや、また経済、社会的な理由で高校入学を断念された方たちで、一定のゆとりができたからぜひ高校の勉強をやりたい、こう考えている方は、年代を問わず都内にも多数いらっしゃるかと思います。
 他の都立高校への展開はもちろんではございますけれども、将来的にはこうした方々へも広くこのコンテンツを開放して、単位認定をしていくとか、または生涯学習にも応用していくとかということがあってしかるべきだと思います。
 そこで、まず手始めに、砂川高校の先生方が本当に苦心されてつくられた学習用コンテンツを、都内すべての高校生が活用できるようにすべきだと思います。いかがでしょうか。

〇岩佐指導部長 都教育委員会は、砂川高校が作成いたしました学習コンテンツを全都の高校生が活用することができるように、環境の構築に努めてまいりたいと思います。

〇遠藤委員 明快な答弁ありがとうございます。
 実施に向けては、コンテンツ内容の精査ですとか、またはシステムの整備、またはネットワークの確立など、運用面での課題もたくさんあろうかと思います。ぜひとも、教育庁の英知を結集して、総力を挙げてしていただきたいと思います。
 ちょうど、公会計のシステムが、我が党の議員の提案によりいよいよ始まりました。知事は、このシステム、大変いいものなんで、東京都にとどめないで、欲しいところには全部このノウハウを提供すべきだと、このようにおっしゃられておりました。
 ぜひとも、この学習用コンテンツにつきましても、東京発、できれば全国いろんなところで活用していただけるような内容にするためにも、教育庁の皆さんの英知を改めて結集していただきたいことをお願いし、質問を終わります。ありがとうございました。

〇遠藤委員 各委員の皆さんからさまざまな視点で質問が出ましたので、私の方からは、子育て世代の代表というか、一員として、やや目線を変えて質問させていただきたいと思います。
 平成十七年度決算のうち、文化や芸術を通じた子どもたちの感性を磨く体験型の事業、こうしたものを東京都として、生活文化局として行っております。この点について何点かお伺いいたします。
 まず、生活文化局では、平成十六年、そして昨年十七年と、子ども向け舞台芸術参加・体験プログラム事業を行っております。これは十六年の新規事業ということで、二年間たったわけでございますが、この二年間、それぞれの事業の状況並びに事業費はどうなっているか、まず基本的なことからお伺いいたします。

〇杉谷文化振興部長 子どもたちが体験を通じて芸術文化に親しむことを目的としております子ども向け舞台芸術参加・体験プログラム事業は、学校や児童館などにプロの芸術家が出向きまして、子どもたちとの共演、体験、創作型のワークショップ、吹奏楽などの実技指導などを行うアウトリーチプログラムを実施するとともに、その成果の発表会や鑑賞会を都立文化施設で実施するものでございます。
 平成十六年度は、江戸東京博物館におきまして児童演劇中心のプログラムを、また、東京芸術劇場におきましてはクラシック音楽及び能楽中心のプログラムをそれぞれ実施いたしました。参加人数は、発表会、鑑賞会が五千二百九人、アウトリーチプログラムが六十六回、三千六百八十六人でございました。また、事業費は約三千百万円でございます。
 平成十七年度は、十六年度と同様のプログラムを実施いたしまして、発表会、鑑賞会などが四千五百六十四人、アウトリーチプログラムが八十回、四千三百四十八人でございました。また、事業費は約二千九百万円でございます。

〇遠藤委員 今、答弁いただいたとおり、参加者も十六年から十七年、拡大しているということで、事業は長い目で見ないといけませんけれども、当初の目的どおり進んでいるのではないかと思います。
 ところで、この二年間でこの事業、どのような成果が生まれたか。そして、その反面、今後の課題、どのようなものが浮き彫りになったか、お伺いしたいと思います。

〇杉谷文化振興部長 まず、成果でございますが、参加者からのアンケートをとったんでございますけれども、そのアンケートによりますと、六歳の娘が金管楽器を吹くことができ感動しましたという結果ですとか、能楽から古典や歴史に興味を抱くようになったと、そういうふうな声が多く寄せられておりますし、子どもたちが芸術家と直接触れ合うことにより、芸術に対する理解が深まり、より親しみを感じたものと考えております。
 十七年度では、十六年度と比較して参加総人数がふえまして、特にアウトリーチにつきましては、回数で十四回、参加人数で六百六十二人上回っておりまして、より多くの子どもたちに芸術家と触れ合う機会を提供できたものと考えております。
 しかし、この事業をさらに充実させていくに当たっては、子どもたちに身近な学校や地域コミュニティを持つ基礎的自治体であります区市町村への周知に取り組んでいく必要があると考えております。そのため、今後とも都と区市町村との連絡会など機会あるごとに周知を図るとともに、区市町村の文化事業の担当者を会場に招待するなどして、子どもたちの身近な場所でかような取り組みが実施されるよう働きかけてまいります。

〇遠藤委員 今の答弁にありましたとおり、市区町村との連携、とりわけ市区町村の担当者としっかりコミュニケーションをとって意思の疎通、または周知を図る、これが決め手だという答弁だと思います。
 いうまでもなく、文化と教育というのは濃厚密接な関係があって、そういう観点からいえば、この文化担当者のみならず、教育委員会との連携も大変重要な視点ではないかと思います。
 私もこの質問をする中で事前に資料をちょうだいいたしましたけれども、本当に東京都内多くの会場で、また、多くの小学校、幼稚園、中学校、高校が参加していますけれども、参加している学校にやや偏りがあるという側面も否めないと思います。参加している者は本当にいい取り組みだということで、来年もまた再来年も参加しようと。全く参加していないところは、こういった事業があることも多分知らないという学校や、また市区町村も多いかと思います。ぜひともこの周知、広報活動をしっかり力を入れて取り組んでいただきたいと思います。
 その上で、今お話しいただいたとおり、事業の特徴的な内容であるアウトリーチ活動、すなわち芸術家による地域の訪問ですね、こうした活動の回数や、また参加者が十六年度と比べて十七年度は大きく拡大する、充実してきているという点でありますけれども、このように参加者が多くなるというのは、関心のあらわれであるということで大変結構なことだと思います。
 大変卑近な例で、また、私ごとで恐縮なんですけれども、おとといですか、家に帰りましたら、私の小学校二年になる息子が、ふだん起きていない時間、私が帰ってきたとき、お父さん、お父さん、きょうは僕は学校でパンづくりをやったんだということで、一日かけて小麦から何から、焼くところまで学校の授業の中で行って、つくった物を家に持って帰ってきて、ぜひお父さん食べてくれということですね。女房に聞いてみると、このパンづくりの授業の一週間ぐらい前から、息子はこの話しかしないということで、大人の視点からとると、パンづくりは小さな取り組みのようなんですけれども、子どもにとっては本当に思い出があり、また、将来につながるようなこうした活動だと思うんですね。
 ちょっと次元は異なりますけれども、こうして今いい事業を行っていますので、芸術のジャンルは、クラシックや、または演劇、能だけではありません。今後、ぜひとも子どもたちがさまざまなジャンルの芸術家と触れ合うように、多くの地域で実施できるという面を拡大する一方、指導者の確保は大変難しい部分、ご苦労される部分もあるかと思いますけれども、例えば日舞だとか歌舞伎だとか文楽だとか、こうしたジャンルもあわせて拡大していくべきだと考えますが、見解をお伺いいたします。

〇杉谷文化振興部長 まず、実施場所でございますけれども、十八年度は児童演劇中心のプログラムの発表会等を、江戸東京博物館のみではなく、区部及び多摩地域での文化施設でも実施する予定でございます。
 それから、ジャンルの拡大でございますけれども、例えばクラシック音楽中心のプログラムの中に落語などのワークショップをあわせて実施するなど、さまざまなジャンルの芸術家と子どもたちが触れ合うことができるよう努めております。
 今後とも、多様な関心を持つ子どもたちがさまざまなジャンルの芸術家と出会うことができるよう、ご質問の趣旨を踏まえまして、検討してまいります。

〇遠藤委員 国におきましては、いみじくも平成十三年十二月におくればせながら芸術文化振興基本法という形で制定をして、国民全体としてこの文化芸術を日本の政策の柱の一つに掲げていこう、取り組んでいこう、こういった大きな動きがあります。
 東京都はこれに先んじた形でリーダー役となって、これまで進めてこられたかと思いますが、東京オリンピックの招致に関連しても、その理念の中に、人と人を結びつける文化の力、また重要性というものをうたい上げております。平成十九年度の局予算の見積もりで今まで話した事業をどのような形で見積もっておられるか、つまびらかに承知しておりませんけれども、大変重要な取り組みでございますので、今後ますます頑張っていただきたいことを要望し、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

〇遠藤委員 私の方からは、平成十七年版の局の事業概要に基づいて、終末期医療について何点かお伺いしたいと思います。
 この事業概要の中で、終末期医療、すなわちターミナルケアの支援の目的について、このように書かれております。「治癒を目的とした医療が有効でなくなった、がん等の末期患者とその家族を対象に身体的、精神的、社会的側面などからサポートして、人生の残された時間を人間として充実した生活が送れるようにターミナル・ケアの充実に努めている。」と、こうした目的をうたって、その後に事業内容として三点ほど書かれております。本日は、この中でも特に人材育成の観点からお伺いしたいと思います。
 厚生労働省は、去る九月十五日、終末期における診療の開始や変更、また中止等を国を挙げて議論するために、終末期医療に関するガイドライン、たたき台でございますけれども、これを公表いたしました。厚生省に直接連絡して中身をいろいろ確認したところ、年内にも有識者による検討会を立ち上げて、来春をめどに何らかの一定の結論を出すと、このようにいっておりました。終末期医療に対する社会的コンセンサスが得られるように、国民的な議論を喚起するという課題は、これから亡くなる方も、人口構成から非常に多くなってくるということで、ますます重要になってくるかと思います。
 ところで、平成十六年の七月になりますけれども、国は、一般国民や医師、看護師など医療従事者に対して意識調査を行いました。この中では、とりわけこの終末期医療に関する医療従事者の研修ですとか教育、この重要性を指摘されております。がん治療に携わりながら、終末期医療をきちんと理解している医者が少ない、こうした指摘もある中で、終末期医療の知識や技術を備えた医療従事者の人材の育成が急務と考えます。
 そこで、まず第一点目にお伺いしますが、今触れたとおり、平成十七年の局の事業概要の七七ページに、東京都において、ターミナルケアに携わる人材の育成のために講習会を行ったり、また派遣研修を実施している、こういう事業があるようですが、十七年度のこの事業の概要または実績はどうなっているのか、お答えいただきたいと思います。

〇細川医療政策部長 人材育成研修の件でございますが、平成六年度から、病院や診療所の医師や看護師を対象としたターミナルケア従事者研修、また在宅ターミナルケア従事者研修を実施しております。平成十七年度においては、半日の座学講座を研修いたしまして、それぞれ百五十二名、また百四十二名が参加しているところでございます。
 そのほかに、ターミナルケアの専門病棟である緩和ケア病棟というのがございますが、そちらにおいて、一カ月間、医師や看護師の実務研修を行う緩和ケア派遣研修を実施しておりまして、平成十七年度は、医師一名、看護師二名が参加しているところでございます。さらに、平成八年度からボランティア育成研修というものも開始いたしまして、昨年度は、生と死を考えるというようなテーマのもとに、二百十名参加しているところでございます。

〇遠藤委員 今答弁がありましたとおり、この事業は大きく二つに分かれていて、いわゆる講座と現場研修、こうなっているようですけれども、この講習会についても半日の座学ということで、話にあったとおり、生と死を考えるというようなテーマや、また、一般病院でもできる緩和ケア、疼痛緩和とスピリチュアルケア、こうしたどちらかというと哲学的なこととかも含めて座学での公開講座を行っている。その一方で、実際の現場体験として、緩和病棟で体験学習をするというようなものが片やある。片や座学、片や本当に現場でぎりぎりの非常に専門的、また実践的な研修を行っているということで、例えば両者の間に中間的な、その間を埋めるような研修をする、そしてまた、医療従事者のレベルアップ等を促す工夫が必要ではないかと思いますが、見解を伺います。

〇細川医療政策部長 委員おっしゃいますように、今後の終末期医療の充実を図っていく上では、医療従事者の人材育成が非常に重要だと考えております。特に、将来、がんの終末期ケアを実践する上で中核となるべき人材については、疼痛の管理、痛み以外の症状マネジメント、精神的ケアの三分野について、十分な知識、技術の習得をしていただきたいというふうに考えております。このため、これら三分野を中心としまして、現在、地域がん診療連携拠点病院となっております癌研究会有明病院と武蔵野赤十字病院において、座学中心のこれまでのような研修よりさらにステップアップした実践的な研修を、ことしの十二月以降順次実施する予定にしております。

〇遠藤委員 ありがとうございます。この中間的な研修、現場研修をことし十二月から二つの病院で新規に行う、こういう答弁だと思います。
 ところで、読売新聞にことしの夏、「延命 最期の選択」という連載がございました。この連載は、明確なルールがない中、延命治療をめぐり揺れている医療現場の深刻な実情、とりわけ患者や、また家族の苦悩を詳細に報じて、読者から多数の反響が寄せられました。私も大変関心を持って読みました。人工呼吸器の取り外しなど、延命治療を講ずるのか、または講じないのか。どこまで行い、どこでやめるのか。終末期を迎えた患者や、また家族の生命の行方、または尊厳を左右する、極めてデリケート、難しい問題であります。
 東京は、病院で亡くなる方がもちろん全国一でございます。平成十三年二月に「都立病院における末期医療の在り方について」という報告書が取りまとめられているものの、現状では、その対応は各病院に個別にゆだねられているというのが都立病院における実態のようでございます。
 冒頭でも申し上げたとおり、国は、公表した終末期医療に関するガイドラインに基づいて、年内中に有識者の検討会を立ち上げて、来春をめどに結論を出す、こうした国の大きな流れがあります。
 そこで最後になりますが、都としても、こうした国の議論に積極的に参加していくことができるように、関係者との議論の場を設けるべきと考えますが、所見をお伺いします。

〇細川医療政策部長 終末期医療のあり方、とりわけ延命措置や尊厳死に関しては、個人の価値観の相違等により大きく見解が分かれ、社会的コンセンサスを得るのが極めて難しい問題であり、慎重な議論が必要であると考えます。東京都としましても、国の有識者による検討会の推移を見ながら、東京都医師会を初めとした関係者のご意見も伺い、必要とされる意見を国に伝えていきたいというふうに思います。

〇遠藤委員 部長から、国に対して必要な意見を伝えていくと、こういう明確な答弁がありました。ぜひ東京都、またその関係者の意見をどしどし国の方にぶつけていっていただきたいと思います。
 病院では、人の死というものは日常の風景の一つにすぎないという指摘もあります。いわばワン・オブ・ゼムでございますけれども、私も実はこの八月に父を亡くしまして、家族にとって、この身内の死というものはオンリーワン、たった一つ、たった一回であるわけでございますので、こうした国民的な議論の機運が高まっておりますので、ぜひとも東京発の、この終末期医療に対する考え方を発信していただきたいことを重ねて要望し、質問を終わります。ありがとうございました。

遠藤評議員 まず冒頭、今日までの協議を重ね、素案をおまとめいただきました検討委員会の荏原部会の皆様に、心から敬意を表したいと思います。私は荏原病院の地元でございますので、少々細かいことも言及をさせていただきますが、ご了承いただきたいと思います。

 ただいまのご説明で、荏原病院が公社化をされても、提供される医療機能はこれまでと何ら変わらないということはよくわかりました。今日まで患者や地域住民の不安をいたずらにあおる言動が一部からなされてきましたが、素案を見る限り、こうした言説が根拠がなかったものであるということは明らかになりました。そこで、公社への移管によって提供される医療の質や患者サービスの面で何か充実させるところはあるのか、幾つかお伺いさせていただきたいと思います。

 まず第1に、医療の質の面ですが、公社化移管後の荏原病院の重点医療の一つとして挙げている、いわゆる集学的がん医療についてでありますが、素案ではMRIなど、現在、保有する最新鋭の医療機器に加えて、17年度に導入するリニアックを活用して、患者の症状に適切にがん医療を提供していくと、このようにございます。そこで、この集学的がん医療は患者にとってどのようなメリットがあるのかということを、もう少し詳しくお伺いしたいと思います。そして、このリニアックはいつごろの導入を目指すのか。まず、この点を第1にお伺いしたいと思います。

○鈴木事務局長 それでは、ただいまの件についてお答えいたします。

 1つは、集学的がん医療のメリットと、それからリニアックの具体的な導入日程ですが。

 初めに、集学的がん医療につきましては、この報告書の(素案)にもございますが、外科、内科、放射線科といった、それぞれの診療科が協力して複数の治療方法を組み合わせて行う、これを集学的がん医療ということで表現させていただいています。

 これのメリットですが、患者さんにとりましては、内視鏡あるいは手術、化学療法、放射線治療といった、がんに対する様々な治療法療法がありますが、こういったものが患者さんの症状等に応じてそれぞれの診療科が連携して適切な治療法が提供できるといった点でメリットがあろうかと思っています。

 また、リニアックの導入ですけれども、これは来年4月からの運用等を目指しまして、この秋から、もうそろそろなんですが、リニアックを置く場所の改修工事や専門医師の確保など、現在、具体的に取り組んでいるところでございます。

遠藤評議員 それでは次に、患者サービスの面で何点かお伺いしたいと思います。

 まず、病院へのアクセスについてでありますが、私もこの荏原病院をよく知っております。最寄り駅である洗足池の駅や、また石川台駅から大変遠いと。そして、バス路線も1本しかない。しかも本数も少ない上、駅から大変に高台に建っているという地理的な条件もあって、特に高齢者の皆さんには使い勝手の余りよくない病院であると思っております。

 一方、五反田駅から六、七分のところにございますNTTの東日本関東病院ですか、こちらは送迎バスのサービス等も実施しており、大変に患者や、また家族の皆さんには好評を博しているということでございます。そこで、この交通アクセスの問題については、素案の中でもその改善について検討を要すると、このように言及されております。そこで、公社移管を機に、患者の利便性を向上させて患者さんが通いやすい病院とするため、ぜひ循環バスを走らせるべきと提案いたしたいと思いますが、いかがでございましょうか。

 あわせて、現在、地元の大田区では、区内の交通不便地域にコミュニティーバスを運行させるということを検討中でもあり、できればこうした大田区のこのお考えというか、検討ともリンクさせた形でご検討をいただければと思いますが、この点はいかがでございましょうか。

○鈴木事務局長 1つは交通アクセスの方ですけれども、確かに荏原病院は評議員のご指摘のとおりに駅から少し離れていて、また、病院が高台にあることからなかなか行きにくいということがございます。我々は地域の中核病院として皆様にこれからも使っていただくためには、是非、循環バス、こういうものを導入していきたいというふうに考えて、東京都に対する18年度予算要求の中で財政措置を講じていきたいというふうに考えております。

 また、評議員ご指摘のコミュニティーバスですけれども、これは以前、私も直接、大田区に問い合わせをしました。このときはちょっとそういう計画がないし、今もないというようなお答えをいただいております。仮に現在、先生がご指摘のように、区の方でその導入を検討中ということでありますれば、荏原病院をコミュニティーバスのルートの中に入れるというようなこともぜひ考えていきたいと思っています。特に、大田区からの患者さんは入院が65%、外来で73%ほどもございますので、ぜひ区の方に了解を求めていきたいと思っております。積極的に要請していきます。

遠藤評議員 ぜひ、よろしくお願いいたします。

 そして、もう1つがこの院内の売店の件でございます。実は私の家族もかつてこの荏原病院に入院をしたという経験がございます。院内の売店をそのときに利用したときがございますけれども、店内が非常に狭く、品ぞろえも決して十分と言えるものではございません。さらに営業時間も18時半までと、非常に短いという実情がございます。また、病院の周辺には閑静な住宅街にあるという関係上、コンビニとか売店も、また食堂等もなくて、そうした基本的なものを満たすものではなかなかないということで、不便な思いをした経験も実は私はございました。

 慶応病院や、また関東中央病院などには、現在、院内にコンビニを設置しているという病院もふえてきております。ぜひともこの公社化を契機に、入院患者さんはもとより、家族の方、外来の患者さん、また病院のスタッフの皆さん、こうした方々の利便性を向上させるために、例えばもう少しこの売店の面積を広げるだとか、または営業時間を長くするだとか、こうした売店の充実を図っていただきたいと、これは要望を申し上げますが、いかがでございましょうか。

○鈴木事務局長 荏原病院の院内の売店でございます。私も荏原にはよく行きますが、やはり40平米ぐらいの面積で狭く、営業時間も短いというふうには聞いています。

 それと、また病院周辺には、あそこの住宅地はなかなか商店街等もございませんので、これは以前から病院へ来る患者さんとか、病院のスタッフの方から不便だということは聞いておりました。それで現在、荏原病院では基本的に患者さんのアメニティーの向上を図るということで、公社化を機会に、院内にコンビニをつくっていく方向で具体的に検討しています。また、その際には今、ご指摘のような売り場面積や営業時間の拡大というようなこともぜひ考えていくように、私の方からも荏原病院の方にはお話をさせていただきたいと思っています。よろしくお願いします。

遠藤評議員 ありがとうございました。質問は以上でございますが、最後に2点ほど要望をさせていただきたいと思います。

 第1は、入院生活を余儀なくされている患者さんやその家族は、程度の差はあれ、不安を抱えているというのが実情でございます。わずかでもこうした不安を緩和するための、いわば荏原らしい安らぎの空間というようなものを、院の外でも結構ですし、中でも結構ですので、こうした空間をぜひとも演出いただけるようにお願いいたします。

 さらに、2点目でございますが、私たちはこれまで女性の特有の病気や健康上の問題を、女性のお医者様が診察をする女性専門外来を、都立病院や公立・公社病院に設置していただくようにお願いしてまいりました。公社では既にご当地大久保病院において、または都立3病院においても順次、開設されてきておりますが、この公社化、移管された荏原病院におきましても、ぜひともこの女性専用外来を実施いただきたいことを最後にお願いし、私のお話とさせていただきます。ありがとうございました。

【財団法人 東京都保健医療公社 評議員会  −平成20年3月28日−】

○林議長 ほかに何かございますか。

遠藤評議員 私のほうからは要望と質問を何点かさせていただきます。

 まず、私も荏原病院の地元、大田区でございますので、このたび「参考資料2」でもご説明いただいたとおり、来年の4月から産婦人科のドクターによる分娩が再開される見通しが立ったということで、これまでの帆刈理事長はじめ公社の職員の皆様、そして、荏原病院の吉田院長はじめ多くの関係者の皆さんのご尽力に心から感謝を申し上げたいと思います。
 その上で、この荏原病院は、言うまでもなく、城南地域の本当に多くの方が出産をされる一大拠点でございますので、来年4月までさまざまな目に見えない準備スケジュールがあるかと思いますけれども、一月でも二月でも早くこの新しい形でスタートができるようにぜひよろしくお願い申し上げます。
 その上で、荏原病院に関連して質問を1つだけいたします。先ほどのご説明で、院内助産所の体制を拡充していくと、こういうご説明がありましたけれども、これまでの院内助産所での分娩数と今後の見通し、これをお示しいただくのと同時に、この体制拡充の具体的な中身をお聞かせいただければと思います。

○林議長 それでは、お答え願えますか。

○越阪部経営戦略課長 院内助産所の分娩の実績でございますが、現在までに5件の出産の実績がございます。今後の実績は、今予約の入っている分だけでございますが、4月以降に9件の予約というような状況で聞いております。

遠藤評議員 では、今後の体制整備という具体的な中身は何でしょうか。

○越阪部経営戦略課長 先ほどの説明で申し上げましたように、6月からの実施ということで、まだ助産師単独で行っていますので、個々の助産師自身もなかなかなれるまでに多少の時間は要しているのかなというふうに思いますので、各病棟の助産師が交互に外に出ての研修であるとか、そういうようなもので自信をつけるというようなところをなるべく早く繰り返し行って、それで、院内助産の利用希望に対してこたえていきたいというふうなことを考えております。

遠藤評議員 あと1点です。これも関連して「参考資料2」で、その3番目に、公社独自の子育て支援策を行っていくということで種々ご説明ありました。公社独自のということは、言いかえれば、都立病院ではなかなかいろんな制度上問題があってできないことだということだと思います。こういう公社独自ということなので、私の地元、都立から公社になってサービスが低下していると、こういうようなことを言っている方々も今なおいらっしゃいますので、公社ならではのサービスなんだということを、21年度もさまざまな普及事業をするということですので、こうした中身でぜひこの辺をしっかりとアピールしていただきたいと思います。あわせて、きょうはこちらに都の幹部もいらっしゃっておりますので、こうした公社が行っていく先駆的な事業をよく研究していただいて、将来的に都立病院で導入ができるのかできないのか等々もしっかり連携をとりながら研究をしていただきたいと思います。これは要望でございますので、私のほうからは以上でございます。ありがとうございます。

○林議長 どうもありがとうございました。

【経済・港湾委員会 −平成19年10月2日−】

〇遠藤委員 フライングをしてしまいましたが、いよいよ始まるということで、よろしくお願い申し上げます。
 今回、独立行政法人化した産業技術研究センター、今、委員会要求資料にもご報告いただきましたとおり、さまざまな効果が独法化したことによって出ているんだろうと思います。そこら辺をもう少し踏み込んだ形で、きょうは明らかにしてまいりたいと思っております。
 景気は大分回復軌道に乗りつつとはいえ、町場の景気、また中小企業が置かれている現状はまだまだ厳しい状況があるというのは、衆目の一致した見解かと思います。こうした都内の産業の中でも特に中小企業のものづくり産業が厳しい経営状況に置かれている中で、産業技術研究センターに対する期待は日増しに高まっていくものと思われます。
 ただでさえ厳しい資金繰りの中、みずから機器を購入して製品の分析や試験を行うことが厳しい中小企業にとっては、産業技術研究センターの存在は極めて大きく、また経営者にとっては大変心強いものと思います。そこで、独法化を経て一層の機能の充実が期待されるものと思われます。
 さらに、独自の技術や製品を開発し、新しい分野を開拓しようとチャレンジしている中小企業も、東京都内には多数存在しております。こうした企業に対しては、産業技術研究センターが共同研究を行ったり、産学連携の橋渡しをすることによって、今までにない新しい開発の糸口を見出したり、その開発を加速するということが極めて重要であると思います。こうした機能についてもさらに強化していくべきであろうと思います。
 今申し述べました観点から、独法化した産業技術研究センターの取り組みの状況について、以下、何点かお伺いさせていただきたいと思います。
 まず第一点目に、新しい技術の開発によって都内のものづくり産業を発展させていくためには、大学や産業技術研究センターのような公設試、さらに中小企業などが複数連携して、プロジェクト的に研究開発を進めていくことが有効なケースも考えられる、多いと思います。
 こうしたプロジェクトを実施していくに当たっては、独立行政法人のメリットを最大限活用して、国等から資金を有効に調達、取得していくことが重要であると思います。外部の資金を導入という側面から、これまでにいかなる成果が独法化したことによって上がったかをまずお尋ねしたいと思います。

〇三枝商工部長 外部資金につきましては、独立行政法人化により、都の予算制度や会計制度の制約を受けることがなくなりますことから、年度途中でも柔軟に活用できるようになったところでございます。
 加えまして、平成十八年度は、理事長を先頭といたしまして、光化学スモッグの原因となるトルエンなどの揮発性有機化合物、いわゆるVOCの処理技術を中小企業と共同で開発する地域結集型研究開発プログラムを初め、国の公募提案事業等に積極的に取り組み、平成十七年度実績の五千九百万円を大きく上回る二億二千万円の資金を獲得することができたところでございます。

〇遠藤委員 今、ご報告いただいたとおり、外部資金の導入実績が二億二千万円ということでございました。
 では、こうした外部資金は、中小企業の支援のために具体的にどういう形で活用されてきたか、ご報告をいただきたいと思います。

〇三枝商工部長 外部資金の具体的な活用例でございますが、経済産業省や各種財団等の提案公募型の研究に積極的に応じることによりまして、例えば発光ダイオードを用いた避難誘導標識や、視覚障害者向けの高機能拡大音読器の開発など、共同研究開発プロジェクトをこれまで以上に進めることが可能になったところでございます。
 このように、産業技術研究センターにおきましては既に中小企業との取り組みを具体的な製品開発につなげる成果を上げてきており、引き続き積極的に外部資金の獲得に努めてまいります。

〇遠藤委員 新しい製品や新しい技術を開発していくに当たっては、大学等との連携が有効な場合というのは大変多いと思います。しかしながら、町場の中小企業の経営者の皆さんにとっては、大学というとまだまだ敷居が高い、どうこの大学に足を踏み入れたらいいのかという部分で、ご相談したいのはやまやま、連携したいのはやまやまだけれども、二の足を踏んでしまうという声もよく聞きます。
 そこで、産業技術研究センターとして、こうした中小企業と大学との橋渡しをする役割を積極的に果たすべきと考えますけれども、現状の取り組みをお伺いしたいと思います。

〇三枝商工部長 産学公連携の推進につきましては、従来より専門のコーディネーターによるマッチングを推進しているところでございます。平成十八年度は、共同研究や受託研究に関する相談が三百八十八件ございまして、このうち二十八件が成約に至ってございます。
 このほか、新たに、コラボ産学官やオムニTLOといった全国的な産学公の連携機関と協定を締結いたしまして、研究ネットワークの拡大に取り組みますとともに、金融機関とも連携をいたしまして、体制の強化を図ったところでございます。

〇遠藤委員 東京のみならず、全国の大学やその他の機関と積極的に交流されているということで、大変心強い限りでございます。
 四点目にお伺いしますが、中小企業の技術的課題の解決や、さらに製品開発に向けて、産学公の連携体制が着実に整備されているといった点だと思います。こうした体制整備に加えて、今後は人的な交流もさらに積極的に進めていくことが重要かと思います。
 先般、配布いただいた業務実績評価書の一三ページに、大学等との連携強化を目的として職員の派遣等を推進していく、このように明示されておりましたけれども、ここらの実績はどのような形になっているのか、お示しいただきたいと思います。

〇三枝商工部長 従来から大学等への職員派遣を行ってまいりましたが、平成十八年度は、職務専念義務免除や派遣の手続を簡素化するなど、独立行政法人の強みを生かし、大学の非常勤講師等として研究員を延べ七十五名派遣し、人的な交流を強化いたしました。これは平成十七年度の延べ十名を大幅に上回るものでございまして、今後とも、試験研究機能のさらなる向上を図るべく、積極的に職員の派遣を行ってまいります。

〇遠藤委員 新しい商品の開発や技術の開発に対する支援についても、産学公が連携体制をしっかりと整備して、さらに人材交流などの面についても、独法化したメリットを大変生かして取り組んでいる、強化しているということは、今の答弁でよくわかりました。
 最後になりますけれども、業務実績評価書によると、機器の更新などによって、きょうも委員会の提出資料にも詳細に書いていただきましたけれども、機器利用サービスの実績が中期計画の目標である三万件を二千三百件以上上回って、また依頼試験においても約八万二千件の実績を上げるなど、着実に努力をしているという跡が見受けられます。
 これらの業務を引き続き充実してもらうことはもちろんのこと、先ほどお尋ねしたとおり、産業技術研究センターの機能を強化していくということは、多くの中小企業の製品開発支援や、さらに技術課題の解決に貢献するという観点から見て、大変重要なことと思います。この点も踏まえて、今後の方針について見解をお伺いし、質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。

【同じ委員会で別のテーマで質疑】

〇遠藤委員 私の方からは、本日の議題の二番の埠頭公社の民営化、そして三点目の三宅島空港の再開、この二点にわたり質疑をさせていただきますので、よろしくお願い申し上げます。
 まず最初の埠頭公社の民営化につきましては、昨年五月、その方針が発表されて以来今日まで、都議会においても、民営化後の公共性を維持していくこと等が確認をされました。十月に受け皿会社を設立するとのことであり、いよいよ民営化に向けて本格的なスタートが始まるわけでございます。
 そこで、本日は、これまでの議論がどのような形で具体化されているか、質疑を通じて明らかにしていきたいと思います。
 といいますのも、民営化というと、直ちにマイナスの部分を強調される向きもありますので、こうした点も払拭する意味で明確にご答弁いただきたいと思います。
 まず議論の前提といたしまして、今回の民営化に関する法的手続についてお伺いします。
 東京都におきましては、これまで、東京国際フォーラムや水道局所管の情報処理事業を行うPUCですか、など、次々と公益法人が株式会社化しております。埠頭公社の民営化もこれらと同様な手続で行われるのか、それともどこか違いがあるのか、明らかにしていただきたいと思います。

〇小宮港湾経営改革担当部長 受け皿会社をつくり、その後、公益法人の事業及び資産を承継し、公益法人は解散する、そういったスキームにつきましては同じでございます。
 しかし、東京国際フォーラムやPUCが民法上の公益法人に過ぎないのに比べ、公社は承継法に基づく法人でございます。そのため、民法上の公益法人とは異なり、承継法に基づく要件がございます。具体的には、受け皿会社は国土交通大臣の指定を受けるという手続が必要であり、また、港湾管理者たる東京都が引き続き五〇%以上の株式を所有することが義務づけられております。

〇遠藤委員 そうすると、ただいまの答弁では、法律に基づいて公益法人の事業並びに資産を承継する、こういう趣旨であると思いますが、この事業及び資産を承継するというのは、さらに具体的にいうとどういう意味になるのか、より詳しくご答弁願いたいと思います。

〇小宮港湾経営改革担当部長 公益法人の事業及び資産を承継するという意味でございますが、公社に関する権利義務がすべて受け皿会社に引き継がれるということでございます。
 具体的には、事業上の顧客との契約や売買契約、公社債債務、従業者との雇用契約など、一切の契約が新会社に承継されます。

〇遠藤委員 答弁で明快であると思いますが、基本的なスキームはこれまでと同様だけれども、公社という公共性の高さから、受け皿会社が国土交通大臣の指定を受けたり、また株式の保有義務など、厳格に特別な要件が定められている、そういったことだと思います。
 仮に、東京港に基幹航路の大型船が寄港しなくなった場合、例えば欧州からの貨物が東京港に直接運ばれてくるのではなくて、中国とかそうした他の国を経由して、フィーダー輸送されてくる場合には、コストは一・三倍、また輸送日数も二日間程度長くなる、こういう事前の説明でございました。これだと、明らかに都民の生活や産業に大きな影響が出てくることは明らかでございます。
 何度も理事者側の皆さんからお話しいただいたとおり、東京港の外貿貨物の七割以上をこの公社は取り扱ってきたということで、民営化に当たっては法律上さまざまな手当てがなされているというのは極めて当然だろうかと思います。
 しかし、さらに大事なことは、民営化をめぐる手順だけではなく、その民営化された後に、この公共性がいかに担保されているかという点だと思います。
 今後、この公共的な役割を担保するに当たって、どのようにその役割を果たしていくのかをご答弁いただきたいと思います。

〇小宮港湾経営改革担当部長 公共的な役割についてでございますが、民営化後の公社は、得た利益を利用者に還元するとともに、民営化のメリットを最大限活用して、ふ頭全体の効率的な運営を行い、安定的な国際物流を維持してまいります。
 また、利用者の声を経営に反映させるため、経営諮問委員会を設置するなど、開かれた経営を行ってまいります。
 こうしたこととあわせまして、都が五〇%以上の株式を所有することにより、引き続きその公共性を確保してまいります。

〇遠藤委員 民営化すると、さまざまな不合理というか、危険があるという議論の中に、つい先日も、ブルドックソースに対するアメリカの投資ファンドによる敵対的買収というものが行われて、世間を騒がせました。
 今の部長のご答弁によりますと、東京都が五〇%以上の株式を所有する、こういうことでありました。さらに、親会社の臨海ホールディングスが五〇%も保有するということで、杞憂であると思いますけれども、新たなる会社が外国の投資ファンドなどに買収される可能性がないのか、こういうような懸念も一部聞こえてきます。
 念のために確認いたしますが、民営化された公社が株式を上場する予定、つもりはあるのか、そして、投資ファンド等に買い占めされる危険性、おそれはないのか、明快にご答弁いただきたいと思います。

〇小宮港湾経営改革担当部長 民営化後の公社の株式につきましては、改正承継法によりまして、五〇%以上を東京都が保有することが義務づけられております。このため、民営化後の公社の資本構成としては、都が五〇%、臨海ホールディングスの子会社とするため、商法上の規定も勘案しまして、残りの五〇%を臨海ホールディングスと考えております。
 さらに、新会社の定款に株式の譲渡制限の規定を設けることとしておりまして、外国の投資ファンドなどが買い占めるというような事態はないものと考えております。
 また、上場についてご質問がございましたけれども、上場については、株主の数等から見まして、東京証券取引所の審査基準から上場できないということになってございます。

〇遠藤委員 今の答弁を聞いて大変安心をいたしました。
 それでは、続きまして、民営化後の新しい会社の組織の体制について何点かお伺いしたいと思います。
 事前に配布いただきました資料によりますと、迅速な意思決定と事業の執行を図るために、取締役が六名など簡素な組織にしたということであります。これまで議会での答弁で、臨海ホールディングスグループ全体で役員数はふやさない、このように理事者側からお話もあったことと合致しているものと、基本的に了解いたしますが、一つここで取り上げたいのは、経営諮問委員会についてであります。
 現在、公社には、船会社や港運事業者など利用者の声をその経営に反映させるために評議委員会、さらには外貿埠頭委員会等々が設けられております。民営化によって一般的な株式会社制度に移行するわけでありますので、多くの関係者の調整などがこれまで以上に必要であると思います。
 今後とも、この評議委員会等が果たしてきた役割というものをしっかりと堅持していく必要もあるのではないかと思います。民営化後は、この経営諮問委員会がこれまでの役割を担っていくと推察いたしております。
 そこで、この経営諮問委員会を設置した理念また基本的な考え方、そして、このメンバーにはどういった方々を現時点で想定しているかをお答えいただきたいと思います。

〇小宮港湾経営改革担当部長 委員ご指摘のように、公社事業の運営において評議委員会、外貿埠頭委員会の果たす役割は非常に大きく、民営化後もその機能は維持していくべきと認識しております。
 そのため、これまでと同様、公共的な視点や実際に施設等を利用している立場から、具体的な事業内容や経営方針全般に至るまで広く助言や提言、ご意見をいただき、経営に反映させるという考え方から、経営諮問委員会を設置することといたしました。
 具体的な構成メンバーとしましては、ふ頭利用者である船会社や港運事業者の代表、学識経験者、さらには都民代表でございます都議会議員の方などを予定してございます。
 新会社においては、外部の専門家である会計監査人を置くなど、チェック機能を強化しておりますが、さらに経営諮問委員会を置くことによりまして、事業執行の段階でも、専門的見地や公共的観点からチェックできることになり、より適正、的確な事業運営が担保できるものと考えてございます。

〇遠藤委員 私たち都議会議員の代表もメンバーとして参加予定であるということ、そして事業執行の段階においても、公共的な視点からチェックできる体制を整えていくという点でございますので、これは評価したいと思います。
 しかしながら、さらに注文をつけるとすれば、コンプライアンスという観点からも事業展開を厳格にチェックしていただきたいという点でございます。
 これに関連しては、我が党がこれまで主張してきておりますとおり、臨海地域の開発のキーワードは何といってもにぎわいであります。そして、市街地と近接する東京港においては、都市機能と港湾機能の調和が非常に大切であり、このような視点で施策を推進していくべきであると考えております。
 臨海ホールディングスの設立の意義は、こうした点から見ても大変大きく、民営化された公社がこのグループの中でいかなる役割を果たしていくかという点に関心を持っております。
 そこで、以前いただいた委員会資料に示された具体的な事業例が、臨海ホールディングスのエリアマネジメントの中にどう貢献をしていくのか、具体的にお伺いしたいと思います。

〇小宮港湾経営改革担当部長 港湾機能と都市機能が共存する東京港におきましては、ふ頭運営と臨海地域での諸施策の展開が密接な関係を有しております。
 例えば、効率的なふ頭運営を行うことで、車両の待機時間を短縮し、また交通の結節ポイントにカメラを設置し、リアルタイムで情報提供を行い、臨海エリアの道路交通の円滑に貢献してまいります。
 また、市街地と近接するふ頭地区におきましては、荷役機器等からの排気ガスの抑制などの対策を支援してまいります。
 さらに、指定管理者として海上公園及び晴海客船ターミナルの管理運営を行っておりまして、「海の灯まつり」など観光につながる取り組みも強化してまいります。
 防災面では、震災時等に救援、救護物資の海上輸送基地となるふ頭において荷役作業が確保されますよう、耐震強化岸壁の適正な管理運営に努めてまいります。
 このような取り組みによりまして、臨海ホールディングスが経営基本方針で示しております交通、環境、観光、防災対策などにつきまして、積極的な役割を果たしてまいります。

〇遠藤委員 非常に多彩な事業展開だと思います。ぜひグループ一丸となって事業を実施してもらいたいと思います。
 これまでの議論によって、民営化後も公共性が維持されるということが明らかになったと思います。さらに、にぎわいの演出など期待できるような事業もあります。これらの事業が決して絵にかいたもちに終わらないように、しっかりと取り組んでいただきたいと思います。
 この項の最後に、公社民営化に向けた局長の決意、意気込みをちょうだいしたいと思います。

〇津島港湾局長 港湾行政を担当する立場から申し上げさせていただきますと、東京港は今後も世界の海上基幹航路における重要な拠点としての地位を維持拡大し、安定的な国際物流を確保することが使命だと考えておりますし、またそのことを通じて、都民生活の安定と産業の発展を支えるということが最も重要であるというふうに考えております。
 先ほど神戸港のお話が出ましたけれども、東京港を基点とする百キロ圏で見た場合に、四千万人の人々が生活し、世界最大規模のGDPを有する市場を背後に抱えるという市場型港湾でございます。つまり、実需といいますか、ニーズはしっかりある港湾でございます。これが東京港の強みでございます。
 こういった東京港の強みを背景にいたしますと、その意味で、この東京港の実需の七割を取り扱う公社の役割というのは極めて重いものがございまして、民営化後も公共的な役割、公益的な役割をこれまで以上に果たしていく必要があるというふうに考えております。
 今後は、このような取り組みが、先生お話しのように、看板倒れにならずに、港湾コストの低減やスピードアップあるいは使いやすさ、サービスの向上といった民営化のメリットが利用者に十分還元されるように、その経営全般について、都として責任を持って指導してまいりたいと思います。

〇遠藤委員 次いで、三宅島空港の再開について何点かお伺いしたいと思います。
 我が党は、二〇〇五年の二月に三宅島島民の帰島が果たされた後も、どうすれば三宅島の復興を軌道に乗せられるか、これまで都や、また三宅島などの関係者と議論をしてきたところでございます。私自身も、避難指示解除後の二〇〇四年の九月に三宅島を初訪問させていただき、先日の九月一日、二日も、現状の三宅島の状況をこの目で見るために訪問してまいりました。
 さらに、さきの第二回定例会におきましては、我が党の高倉良生議員が、三宅島の復興には、今般発表されました三宅島空港の再開が不可欠である点を指摘し、同時に、若い人を定着させるために、より充実した施設の確保が重要である旨提案をいたしました。
 今般、この三宅島空港の再開に向けた準備に入るとの報告を受け、またニュースを見て、私はいうに及ばず、この復興に携わってきたすべての方々、特に島民の皆さんがひとしく胸をなでおろしたということではなかろうかと推察をいたします。
 この上は一日も早く再開が果たされ、島民生活に欠かせない交通機関として定着されることをまず冒頭、心より期待を表明させていただきます。
 そこで、まず最初にお伺いしたいのは、現在の雄山の火山ガスの発生状況、とりわけ空港再開ということでございますので、三宅島空港周辺に関連して、ご答弁いただきたいと思います。

〇室星島しょ・小笠原空港整備担当部長 雄山の火山ガスの放出量でございますが、平成十二年の噴火時点、一日当たり約八万トンから現在は約三千トンと、長期的に見ますとかなり減少傾向にあります。
 しかしながら、気象庁の発表では、火山活動はやや活発な状況が続いており、今後も多量の火山ガスの放出が継続するとしております。
 三宅島で実施している空港を含みます坪田高濃度地区における火山ガスの警報、注意報の発令状況でございますが、平成十八年度は約六百回で、依然として島全体の約四分の一を占めてございます。しかし、同地区における警報、注意報の内容を見ますと、レベル三、レベル四の高い濃度の発令が減りまして、レベル一、レベル二の低い濃度の発令がふえるという状況にございます。

〇遠藤委員 今、種々ご報告いただきましたけれども、一言でいうと、頻度は低下はしてないけれども、濃度がかなり下がってきた、こういうことで間違いないのかなと思います。あれば、ちょっと後で訂正いただきたいと思います。
 そこで、二問目に入りますけれども、詳細な火山ガスの観測を空港の再開に向けて行ってきたということでお聞きしておりますけれども、その観測結果からどのようなことが明らかになっているか、ご説明いただきたいと思います。

〇室星島しょ・小笠原空港整備担当部長 昨年十二月から行っております観測で、大きく三点がわかってまいりました。
 まず一点目でございますが、空港及び飛行経路上の火山ガスの濃度は、噴火口がございます雄山山頂の風向、風速と火山ガスの放出量に関係すること。
 次に、これまでの観測で、空港及び飛行経路上に火山ガスがかからない東側からの風が約六〇%あること。
 三点目に、風向にかかわりなく、雄山山頂の風速が四メートル以下の場合や、空港及び飛行経路上に影響を与える西側からの風でも、火山ガスの放出量が三千トン程度で、風速が九メートルを超えていれば影響がないということがわかってまいりました。

〇遠藤委員 今ご報告いただいたこの観測結果をもとに、運航事業者である全日本空輸さん、全日空さんが再開準備に入る、こうした決定をしたと思いますけれども、今お聞きしていると、東側からの風が約六〇%ということで、かなりきわどい形の状況を縫って空港再開の準備に踏み切ったんだということが、今の答弁で明らかになりました。こうした中で、全日空さんが、さあ行くぞ、やるぞと再開準備に入ることとした大きな理由をお示しいただきたいと思います。

〇室星島しょ・小笠原空港整備担当部長 火山ガスが空港及び飛行経路上にかからない、今先生からご指摘のございました東側からの風での運航を前提に、全日空の社内で検討したというふうに聞いております。
 この状態では、かなり厳しい就航率が予想されますが、全日空といたしましては、島民生活の安定や復興を促進するため、前向きな決断をされたものと理解しております。

〇遠藤委員 最後に部長がご答弁いただきました、厳しい状況はいろいろあるけれども、全日空さんとしては島民生活の安定、そして復興を促進するために、前向きに決断をされたということでございます。
 三宅島はかつて、バードアイランドと呼ばれるほど自然豊かな美しい島でございました。二〇〇五年の二月に帰島が果たされたものの、火山ガスとの共生という厳しい条件の中で、復興への歩みも必ずしも穏やかではございませんでした。
 今回この空路の再開のめどがついたということは、島民生活のさらなる安定をもたらして、復興をより一層後押しする意味で大変重要なものと考えます。運航事業者である全日空とよく連携をとって、着実に再開への準備を行って、島民の皆さんの期待にこたえていただきたいと思います。
 今、部長とのやりとりで、全日空さんが、島民生活の安定や復興を促進するために前向きな決断をしたということでございます。質問の通告にはありませんでしたが、この全日空さんのかたい決意を受けて、局長の都としての決意表明をお伺いして、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

〇津島港湾局長 答弁の具体的内容は部長のとおりでございますけれども、やはり東側の風が六〇%ということで、そのままいけば就航率が六割程度ということになるかと思うんですけれども、これは、運航上のいわゆる採算性からいけばかなり悪いわけでございます。ただ、今後、観測をしっかりやっていく中で、西風の場合でも風速によっては可能な場合もあるということでございますので、そういった観測に期待する部分も正直いってあったかと思います。
 いずれにしても、まず火山の噴火前の一日二回の就航、これは現時点においてはなかなか困難な面もございますけれども、島民の皆様方の希望をしっかりと、つくるということを第一に考えていただきまして、一回の就航から始めるということで決断をしていただきましたので、科学技術に基づいてはいるけれども、かなり生活復興を考えた政治的な配慮もあったのではないかなというふうに推測しております。
 都としては、この就航率を高めるために、引き続き慎重に観測を続けまして、観測は港湾局の役割でございます、引き続きこの観測をしっかりやって、完全に噴火前の就航率に戻すために全力を挙げたいというふうに思っております。

〇遠藤委員 どうかよろしくお願いいたします。
 築地の市場の移転につきましては、本日の委員会、そしてこれに先立つきのう、そして一昨日の本会議を通じて活発な意見が行われております。私の方からは、本日の委員会の資料要求にもございました専門家会議に絞って何点かご質問させていただきたいと思います。
 といいますのも、やはりこの専門家会議は、今後の移転に際して死活的な、決定的な重要な会議であるということでございます。先ほど門脇理事からもご発言がございましたとおり、第一回目は残念ながら委員の先生方が早退されたり、または欠席されていたということもございました。
 我が会派としても、先生方におきましては大変お忙しい都合かと思いますけれども、とにかく都民、そして首都圏、そして日本全国の安心・安全な食を求める方々が注目している会議であるということを改めて心にお置きいただいて、万障繰り合わせてご出席いただきたく、まず要望させていただきたいと思います。
 さまざま活発な議論ございますけれども、やはり東京都としても、この移転に際して現行法令に照らして問題がない水準で土壌汚染対策を行う、このような主張が繰り返し繰り返し、時には議会で、時にはマスコミを通じてアナウンスメントしておりますけれども、やはりまだ一部の都民の皆さんや、また関係者から、汚染がある土地に市場が移転しても大丈夫なのか、このような危惧、不安が払拭できないのも事実でございます。
 生鮮食料品を扱う市場用地におきまして、食の安全・安心を確保する観点から、土壌汚染に対して万全の対策を講じて都民の不安を解消していくことは、都に課せられた第一の責務であると考えております。今回、都が設置したこの専門家会議は、こうした要請にこたえていくためのものだと思います。
 そこで、この専門家会議の委員の選定について、確認も含めてお伺いいたします。
 五月十九日に第一回目の会議が開催されました。今後、都民や市場関係者の不安を解消するという観点から、土壌汚染対策等について検証、提言をしていくということでございます。先日の本会議におきましても、委員の選定等について恣意的ではないか、このような意見が一部上がりましたけれども、専門家会議での検証や今後の提言が都民や市場関係者に信頼されないことには、土壌汚染に対する不安は一向にいつまでたっても解消されないと思います。
 そこで、まず、この会議の委員をどう選定したのか、本会議でも答弁ありましたけれども、きょうは委員会でございますので、より詳しくご答弁いただきたいと思います。

〇後藤新市場建設調整担当部長 生鮮食料品を取り扱います豊洲新市場予定地の土壌汚染対策等を評価、検証するためには、第一に、土壌、地下水の汚染の原因となる有害物質の分野、第二に、地下水の分布や水位の変化を把握するための水質の分野、第三に、埋立地の土壌を分析するための土質の分野、第四に、人体への健康影響を評価するための環境保健の分野、この四つの分野からの専門的な検討が必要であると考えました。
 また、このため、人選につきましては、それぞれの分野に精通した専門家の中から、実際の研究分野や過去に土壌汚染問題に取り組んだ実績などを考慮いたしまして、公正に選定いたしました。
 また、委員の人数につきましては、密度の濃い実質的な議論が行われるよう、各分野から一名の計四名の構成としてございます。これらの公平、中立な立場の専門家によって、科学的、客観的な視点で検証、提言が行われると考えております。
   〔「それは聞いたよ」と呼ぶ者あり〕

〇遠藤委員 聞いたよということですので、私は、当局にかわって若干補足させていただきたいと思います。
 座長の平田先生ですけれども、研究分野は、いただいた資料によりますと環境水理学ということで、有害化学物質に汚染された水環境を修復する技術の開発と評価。座長の平田先生。
 そして森澤先生でございますけれども、研究の分野は土木環境システム、環境動態解析、環境影響評価、そして環境政策、こうした分野に秀でた先生であるということでございます。
 そして、お三方目の駒井先生でございますが、駒井先生は土壌、地下水汚染の専門家でございます。
 そして、四人目の内山先生でございますが、公衆衛生学、そして環境保健学ということで、特に特定建築物における屋内、室内ですね、化学物質汚染の実態と、それが健康、体に与える影響、その関連を研究する分野のエキスパートだということでございます。
 こうした資料をいただきましたけれども、検証に必要な各分野に精通した先生方が公正な観点から選定されて、会議の中立性というものが保たれていると私は思います。